和歌山県租税教育推進連絡協議会

ホーム税に関する作文税に関する中学生の作文一覧 > 中学生の作文表彰作品
和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
コミュニティバスから見えた税金
和歌山県立古佐田丘中学校 3年
山中 和子

わたしの住む橋本市ではコミュニティバスが運行されている。わたしは去年まで通学に時々、コミュニティバスを利用していた。学校の近くの駅から、家の近くのバス停まで200円で乗ることができ、とても便利だった。しかし、今年から、わたしが利用していた路線は廃止となった。コミュニティバスの廃止の代わりに、デマンドタクシーが運行されることになったが、これでは通学に使える時間帯に運行されていないので、わたしは使うことができなくなった。コミュニティバスの廃止の知らせを聞いた時、わたしは通学に使えなくなるのが嫌で、なんで廃止するのだろうという少し腹立たしい気持ちでいた。

そこで、わたしは橋本市のコミュニティバスについて調べてみることにした。コミュニティバスやデマンドタクシーは平成27年ごろにはたくさんの人が利用していたが、その後は利用者数が減少していた。そして、運行経費と運賃収入の差額は市拠出金及び国庫補助金でまかなわれていた。わたしはこのことを知って驚いた。何も考えずに便利だからと言う理由で利用していたコミュニティバスに税金が使われているなんて考えもしなかったからだ。思い返してみれば、わたしがコミュニティバスに乗るときは利用者が数人、もしくはわたし一人の時もあった。わたしが払う200円でバスのガソリン代と運転手さんの給料をまかなうことなんてできるはずがなかったのだ。コミュニティバスに乗っているのはほとんどが高齢者の方だ。わたしの家の近所のおばあさんもこれを利用してスーパーなどの買い物に出かけている。コミュニティバスに変わって運行されているデマンドタクシーについて調べてみると、スーパーへ行って買い物がしやすいルートと時間に運行ダイヤが変更されていた。税金を無駄にせず、困っている人に使えるようにと考えられたからこそのコミュニティバスの路線変更だったと気付かされた。

税金は国や地方自治体が国民から集める様々なお金のことだ。そのお金は私たちのためのサービスや施設づくりに役立っている。わたしの通う中学校だって、税金で建てられ、税金で教科書も配付されている。逆に税金の制度がなくなれば、事故や災害に遭ったとしても助けてもらうサービスが有料になってしまう。普段当たり前に利用している公共サービスが使えなくなるのだ。わたしは、コミュニティバスを通して税金の大切さや使い方を知ることができた。コミュニティバスにわたしが乗るより、近所のおばあさんが買い物に行くために乗る方が税金の使い方として正しいと思う。税金は必要とされるところに適切に使ってほしい。わたしが大人になったら、きちんと税金を払い、その使い方を知って、正しい使い方がされていないなら、間違っているとしっかり言いたい。自分が納めた税金なのだから。

税に関する中学生の作文一覧へ戻る