和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
税金に救われた祖父の命
美浜町立松洋中学校 3年
若野 浬子

私の祖父は、昨年コロナに罹患しました。祖父は、私が小さい頃に病気になり、言葉もうまく話せず、左半身が不自由です。持病の糖尿病もあり、コロナウイルスが日本で流行しだした頃に、かかりつけの医師に祖父が感染すると非常に危険だと言われたそうです。テレビでは、連日コロナによる感染者数や芸能人が亡くなるニュースを見て、祖父もコロナに感染すると死んでしまうんじゃないかと怖くなりました。それなのに、感染爆発中の昨年とうとう祖父もコロナに感染してしまいました。微熱が続き、肺炎にもなり、危険な状態でした。コロナ禍でもあり、お見舞いにも行けず、病院からの連絡を待つだけの心配な日々でした。幸い、祖父は徐々に回復し、リハビリできるまで元気になりました。三ヶ月という長い闘病生活でしたが、コロナにかかる治療費など全て税金で賄われているということを知りました。祖父の命は、税金によって救われたのだと思いました。もちろん、医師や看護師さん、医療従事者の方々の手厚い看病のおかげでもあります。無事に退院してきた祖父は、だいぶ痩せて足腰に力がなくなり車いす生活になりました。それからは社会保障制度のひとつでもある、介護保険によって介護ベッドやトイレなどを借り、父や叔父が祖父のためにスロープを手作りしたりと祖母にとっては大変な介護生活の始まりとなりました。でも、祖父はデイサービスに行って、お花見をしたり、お誕生日会を開いてもらったりと写真で見る祖父は楽しそうでした。

「税金」と聞くとあまり良いイメージはないし、テレビではよく税金の無駄遣いなんて聞くけど、税金のおかげで、祖父にも楽しめる場所があるのだと思います。

祖父は、チョコレートが大好きです。私と弟がチョコレートを食べていると、言葉をうまく話せないので、欲しいと目で訴えてきます。私が一つあげると、祖父はとても喜びます。でも、持病の糖尿病もあり、たくさん食べると体によくないので、祖母には「一つだけだよ!」と注意されます。その一つを祖父は、とてもおいしそうに食べます。

「消費税」一番よく耳にする税金です。チョコレートを買うときにも、消費税が必要になります。今の私にもできる唯一の納税です。

少子高齢化の今、高齢者にも優しい環境になるように、未来の私たちの生活がより暮らしやすいようになるために、税金は必要だと感じました。

祖父の命を救ってくれた税金。私も誰かの命を救えているかもしれない。少しでも、誰かの役に立てているかもしれない。祖父の喜ぶ顔をまだまだ見ていたい。救われた命。いつまでも長生きしてほしいです。

今日も、祖父の大好きなチョコレートを買って会いに行こうと思います。

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