和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
未来へのバトン
紀の川市立打田中学校 3年
田村 梨緒奈

「勉強はどうして大切なのか。」この壁に、多くの子どもたちがぶつかったのではないでしょうか。しかしそもそも私たちが、あたりまえのように学校へ行き、あたりまえのように授業を受けているのは、決して「あたりまえ」なんかではありません。

世界には、教育を受けられない子どもたちが6,100万人いると言われています。彼らは戦争や紛争で学校へ行けなかったり、家計を支えるために働かなければならなかったり、そもそも学ぶための環境が整っていなかったり、様々な原因から教育を受けたくても受けられないのです。教育を受けることができないまま大人になると、読み書きや計算ができず、安定した仕事に就くことができません。また、知識や情報不足で社会から取り残されてしまいます。教育は社会の基盤なのです。

そんな中で私たちがあたりまえのように教育を受けられているのは、税金が支えてくれているからです。私たち中学生の年間教育費は、一人あたり約100万円以上で、3年間では300万円以上にもなります。日本の義務教育である小・中学校の9年間は税金により、私たちは無償で授業を受けられるのです。これだけの税金が、どうして私たちの教育のために使われているのかわかりませんでした。でも、それはきっと大人たちからのバトンなんだと思います。これからの社会を担う中心となっていく私たちに、今の社会を担っている中心の大人のみなさんからの期待のこもった「バトン」なんだと思います。だから私たちには、そのバトンを誇りを持って受け取り、さらにそれを未来につなげる義務があるのです。一人一人に与えられる教科書、快適に学習できる教室、みんなが使う机と椅子、また近年導入され始めたタブレットや電子黒板など、私たちはこんなに恵まれた環境で勉強できることに感謝しなければなりません。そしてこれらは全て、大人のみなさんが納めてくださった税金が形となって、私たちに届いたエールなのです。だから私は、このエールに応えられるよういろんなことに挑戦します。そして、私が税金を納める立場になったときに、社会への恩返しとして未来の子どもたちにエールを送れるような大人になりたいです。

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