和歌山県租税教育推進連絡協議会

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近畿税理士会会長賞
私の過去・現在・そして未来
近畿大学附属和歌山中学校 3年
奥田 理央

2019年の冬以降、前代未聞の出来事が世界中でおきた。それは新型コロナウィルス感染症が流行し社会のシステムに大きな影響を与え経済が停滞した。当時6年生になり、ほどなくロックダウンを経験し生活に大きな制限がかかったことを今でも覚えている。母は早朝の人が少ない時間帯に1週間分の食料を買いに行くなど今までと違う生活を過ごすこととなった。しかし母は「行動制限がかかることにより1ケ月の支出が減り逆に貯蓄できた。」と言い、その時社会が回っていないことを違う形で認識した。またテレビでは観光地である京都の財政を懸念する報道が流れた。半年前はインバウンドの恩恵が当たり前で税の減収など考えもしなかっただろう。このような不可測な事象に備え政府は毎年予算を組み込んでいたのだろうか。このパンデミックに関しては直接命に係わる事象であり、社会経済と命(倫理観)を天秤にかけなければならない難しい案件であった。

また緊急経済対策として特別定額給付金が国民全員に支給された。我が家では家族ひとりひとりに手渡され、どう使うかは各自で選択し経済を回す為に使ってもよし、将来大学に行く時の備えにしてもよしと判断を委ねられた。その時お金の在り方について家族で深く話し合ったことを今でも覚えている。

両親は私が18歳で自立することを望んでおり中学3年生になった時にお小遣いの形を変えると言い月2万円を手渡されお昼代、交際費、交通費、服代その他もろもろのやりくりを自分で行うよう提案してきた。私がまず始めたのは必要な支出(月・年間行事)を書き出した。これを始めるにあたって毎月5,000円の貯蓄を目標とした。服代に関しては体型も変わらないので去年と同じ服を着用し消耗品のみ計上した。しかし学校で必要になる支出が思いのほか多く上靴などを計上していなかった為、後に苦戦することになった。また、夏休みの交際費も膨らみ現時点ではマイナスはないものの改善が必要となる。外出時にお茶を持参しお昼にお弁当を作るなど支出を抑える工夫も行った。そのことがきっかけで収入の大切さを改めて実感することになる。

また私が将来選択する職業や一人暮らしをするか否かで生涯活用できる金額も大きく変わることを知り、そのことも踏まえ人生の選択をしていかなければならない。

今まで述べてきたことは私個人のことで、国内、国際レベルの収入、支出を考えると想像に絶する。今の私は社会の仕組みも分からず縦横の複雑な繋がりも知らない。しかし分かることがあるとすれば経済が回り税の収入が増えることで社会や身近な生活に還元されるということだ。経済を潤すことはいろんな業界や角度からもきっとアプローチ出来るはずである。私が今思うことは未来に希望を持ち知見を広め世の中の流れを見極めていくことであり、それを大切にしていきたい。

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