和歌山県租税教育推進連絡協議会

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大阪国税局長賞
安心できる暮らしのために
和歌山県立日高高等学校附属中学校 3年
稲葉 千紗

私の祖父は、持病もあり昨年から体調が悪く入退院を繰り返している。最初の頃は退院してきても、自分の事は自分で出来ていたが、だんだんと介助なしで動くのは難しくなり、介護が必要になってきた。ある日、病院のスタッフの方の勧めで、介護認定を受けることになった。介護認定がおりれば、介護のレベルにより週数回の訪問介護や訪問看護を受けることができ、車イスや介護ベッドなどの福祉用具をレンタルすることもできる。他にも介護に関するサービスを利用することができ、祖父も病院に居るより住み慣れた自宅で、安心して過ごせるだろう。介護保険制度ができる前に介護を経験した祖母は、「その頃に、今のような介護制度があれば良かったのに。」と呟いていた。曽祖父を介護する頃、子育てと重なり仕事や家事もこなし、精神的にも辛かったようだ。家族総出でお風呂に入れ、病院に連れていくのも一苦労だったそうだ。祖母は笑いながら「若さで乗り切ったよ。」と話していたが、介護は若さや体力だけでこなせる容易なものではないだろう。かつては、高齢者である親の世話は家族で行うものとされてきた。核家族が増え家族の形が変わり、老々介護という問題も生まれた。社会全体で介護を支える目的で介護保険制度が出来たそうだ。介護保険制度のお陰で、介護する方もされる方も精神的苦痛が減り、身体的にも無理することが無くなるだろうと思った。

また近所の高齢者が、自転車で転倒し怪我をしたが、すぐに病院まで送迎してくれる人がなく、救急車を呼ぶほどでもなく思案したそうだ。しかし、町の方から外出支援券を交付してもらっていたお陰で、タクシーを呼び大事にならず済んだという話を聞いた。普段介護が必要ではない高齢者に対しても、そういった支援があることを知った。

税はその時々の時代のニーズに応じ、私たちの生活を支えてくれている。少子高齢化社会の中で、介護保険という制度が生まれたことが理解できた。コロナ禍では、特別給付金の交付やワクチン接種など迅速に対応してくれた。物価が高騰している現在、私の住む町では、子育て世帯の経済的負担の軽減を目的に、学校給食を無償で提供してくれている。町外の学校に通う私も例外ではなく、同じように支援を受けることができている。誰もが安心し、安定した生活が送れるよう、税は常に私たちの暮らしを支えてくれているのだ。

「税金は高い」とマイナスイメージを持たれがちだが、私は実際、自分自身や身内が社会保障制度の支援を受け、利用し、内容を理解したことで税に対するイメージは変わった。税の制度をきちんと理解し、納めていくことが大事だと思った。

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