和歌山県租税教育推進連絡協議会

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国税庁長官賞
税金でつなぐ命のリレー
有田川町立吉備中学校 3年
梅谷 彩花

2023年7月現在、日本全国47都道府県に、ドクターヘリは56機配備されています。私が住んでいる和歌山県でも2003年1月から、和歌山県立医学科大学院を基地として運用が開始されています。今回私が税の作文を書くきっかけをくれたのは、弟の存在でした。私の自宅の窓からは、ドクターヘリのヘリポートがよく見えます。弟は、そのヘリポートに到着するドクターヘリが大好きで、毎回身をのり出して到着から離陸までを見守っています。そんな時、弟から「ドクターヘリはどこから来るの?」と聞かれました。その質問に答えるために調べた内容は、驚きと発見だらけでした。

ドクターヘリは、「ドクターヘリ特別措置法」という法律に基づいて、運用されています。それにかかる管理・運航費用は、年間約2億5,000万円と言われ、この費用は、国やドクターヘリを導入する都道府県が負担しています。つまり、ドクターヘリの配置から運航・管理費用において、私たち国民が納めた税金を使用し運用されているという事です。そう考えると、自分も誰かの命を助ける手助けが出来ているようで嬉しく感じました。

ドクターヘリの1回の往復には、大体約50~100万円の費用がかかります。日本の場合その費用は、救急車同様に患者への費用負担はありません。それに比べ海外では、ドクターヘリ1回の利用で500万円以上を請求された例も聞いたことがあります。ドクターヘリの年間出動回数は2,000件以上と言われています。年間に2,000人もの人がドクターヘリを利用しているということです。ドクターヘリは救急車に比べて、大幅に治療時間を短縮することができ、今まで助けることが出来なかった多くの人の命を助けることができます。そんなドクターヘリの運航に、自分たちも納税という形で協力することができる。それは、命をつなぐリレーの一員として認めてもらえているようで、とても自分自身を誇らしく感じます。今まで税に対して疑問やマイナスのイメージしかなかった自分の考えに意味を持たせてくれたように感じました。だから私は、弟の問いかけに対して「ドクターヘリは山の向こうの病院からやってくるけど、そのヘリコプターをとばしているのはみんなの力なんだよ」と教えてあげたいです。

税金は、全国民が色々な形で納めています。自分たちが通っている学校の机や教科書も、税金の一部が使用されています。私たちの毎日は、みんなが納めてくれる税金の上に成り立っていること、その税金によって支えられていることを忘れてはいけません。そして、私も将来、自分の支払った税金が誰かの役に立つことを誇りに思える立派な納税者になりたいです。

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