岸 千姫
私は物心つかない頃から病院通いが続いている。耳鼻咽喉科や皮膚科、歯科院や眼科、総合病院・・・と沢山の病院に通院している。また、病院に行けば大量の薬が出される。なぜそんなに病院に通って多額の金額を払っているのに生活が苦しくならないのか、と不思議に思っていた。そして小学５年生の時のある日、母にそのことを聞くと、このように答えた。「中学校卒業まで医療費無料やから、なんの心配もいらんねで。」
この頃の私にはまだピンとこなかった。そこでインターネットで医療費無料について調べると、医療費無料になるのは、国民が国に税を納めているからであるということを知って税は私たちにとって必要不可欠な存在なのだなと思った。もし税金がなかったらと想像するだけでおぞましい。
税金はこのように医療だけでなく、教育や公的サービスや公共施設など様々な場面で使われている。税金があるからこそ私たちの生活が成り立っているのだ。
しかし、現在税金についての課題がある。それは、少子高齢化による影響だ。現在、日本では急速に少子高齢化が進んでいる。高齢者が増えると医療費が増えるが、その費用を負担している若い人が減っているため、今のままでは日本の財政が厳しい状態になるため、国民が負担する割合が増えてくるようになりそうだ。このままでは国民の生活は苦しくなる一方である。
このことや、それ以外の理由で消費税の増税に反対の声が多く挙がっている。以前の私なら、きっと増税に反対していただろう。しかし、税の作文を書いている際に改まって考えてみると、増税してもいいのではないかと思う。確かに増税することで私たちの生活は苦しくなるかもしれない。しかし、私たちが支えなければ、日本の経済や国民の生活がより一層苦境に陥ることになるだろう。そうならないためにもきちんと税を納めていくことが大切だ。また、私たちも老後になれば、年金というものがもらえる。この年金も国民の税なのである。
こうして、私たちは税金を通して支え合っているのだ。もし税金というものがなければ、私たちの暮らしだけでなく、日本国全体に混乱を招くだろう。本当に税金には感謝してもしきれない。
これからは国民の一人としてしっかり税を納め、感謝の心を忘れず生きていきたい。
税は私たちの〝英雄〟だ。
