和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
縁の下の力持ち
和歌山市立明和中学校 3年
南川 佳穂

2019年10月1日、日本の消費税が8%から10%に上がった。

当時、私は税金のことをほとんど知らず、物の値段が高くなるからやめてほしいと消費税が上がることに対して否定的な意見を持っていた。しかし、今回税金が何に使われているのかや消費税について調べてみて、増税に対しての考えが少し変わった。

まず税金が何に使われているのかを調べた。税金は主に社会保障などの医療、年金、介護に使われているらしい。他にも、ゴミの収集と処理、警察や消防など私達の生活にはいかせ欠かせないが、民間の経済活動では生み出せない公共サービスなどに使われているそうだ。

そして調べていて一番驚いたことは、救急車が無料で利用できるのは、めずらしいということだ。ほとんどの国が救急車を利用する時は、お金を払わなければならないらしい。これを知って私達は、知らない間にずいぶんと税金に支えられていたのだなと思った。

そんな税金の多くを占めているのが消費税だ。消費税とは、物やサービスを購入した際にかかる税金である。2020年の消費税総額は、なんと20兆9714億である。

もし、消費税が下がったらどうなるのだろう。それに代わる収入を見出さなければならなくなる。そうなると一番手っ取り早い方法は、他の税金を上げることだろう。しかし、この方法で20兆という金額を稼ぐのは非常に大変なことである。

逆の発想で20兆を使わなければどうなるのだろうと考えてみた。救急車やゴミ収集、交番を利用するのも有料になってしまうだろう。医療費も全て自己負担になってしまうかもしれない。そうなると私達の生活は苦しくなってしまう。消費税は私達の生活に、なくてはならない物だと感じた。

でも、1989年4月1日に消費税が導入されてから現在までで、消費税は3%から10%にまで上がっている。なぜ、こんなに上がったのか気になって調べると、日本は高齢化社会だからということが分かった。日本は速いスピードで高齢化が進んでおり、高齢化に伴い社会保障の費用も増え続け、現在の社会保障制度を次世代に引き継ぐためには、安定した財源の確保が必要となる。そして皆が受益する社会保障の負担は、あらゆる世代で負担を分かち合いながら次の世代までまかなう必要がある。また経済活動にも中立的であるため消費税が上がったのだ。

消費税が上がると物の値段が高くなって生活が苦しくなってしまうじゃないかと思っていたけど、消費税は私達の未来、そして、次の世代のことを考えて上げられていた事を知り、消費税を支払う意味が分かった気がする。

税金は私達の生活を支えてくれているものだということが分かった。これからも私達のくらしが豊かになるための税金について、私自身もっと関心を持って考えようと思った。

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