和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
「税の助け」
白浜町立富田中学校 3年
稲田 杏璃

私たちの住んでいる白浜町では、中学3年生までの子どもの医療費は全て税金で負担されています。

私は小6の夏頃からアレルギー性皮フ炎で皮フ科に通っています。私は剣道をしているので、熱が体全体にこもったり、汗が皮フに残ったりしてかゆくなってしまうということがよくあります。また、夏は暑さで冬は乾燥でかゆくなり、勉強時はストレスでかゆくなってしまいます。中2までは2種類の薬を飲んでいましたが、良くなったり悪くなったりの繰り返しでした。そのため、中3から「リンヴォック」という薬を飲み始めました。最初この薬の説明を受けたとき、「高額医療」という言葉に引っかかりました。「そんな高い薬、毎日飲むのかな」と少し心配になったからです。薬のことを母に聞いてみると、「白浜町は中3まで医療費は無料やで。」と教えてくれました。それを聞いて少しほっとしました。その時私は改めて子供の医療費無料について気付きました。白浜町内の子供約2千人の医療費が税金負担されていることに驚きました。私は中2までかゆさでなかなか勉強に集中できませんでした。しかし、新しい薬のおかげで、かゆみもおさまり、勉強に集中することができています。かゆさが我慢できずかいてしまったために、体中の皮膚が黒ずんでいましたが、それも治ってきました。

私は平成20年1月29日に、体重1430グラム、身長40センチの極低出生体重児で生まれました。2ヶ月早く生まれたので体重や身長などが基準値を超えるまでNICUに入っていたそうです。小さく生まれたので、呼吸も弱く、常に看護師さんがみてくれて、母と看護師さんは、毎日の様子をノートでやりとりをしていたそうです。私がNICUに入っていた期間はおよそ2ヶ月。その間の医療費も、税金が負担してくれていたということになります。母に聞くと、「その時はとても払えないような額の入院費だったから、税金のありがたさをすごく感じたよ。」と話してくれました。母は毎日、母乳をしぼってNICUに届け、父も毎日私の様子を見に来てくれていたと聞いています。私がこんなに大きく成長できたのは高額な治療費を税金が全て負担してくれたこと、そして何よりたくさんの人の愛情があったからだと思います。

よくニュースで増税や、税金のムダ使い、国の借金など、税に関する問題を耳にします。あまり身近でない話題も多いですが、税金で多くの命が救われて、健康が保たれていることは確かです。私は大人になったら、子供のときに税金で負担してもらった医療費のことを忘れず、少しでも多くの税金を払える大人になりたいと思います。

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