和歌山県租税教育推進連絡協議会

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近畿納税貯蓄組合総連合会会長賞
明るい未来をいつまでも
和歌山県立日高高等学校附属中学校 2年
稲葉 千紗

この春、私達の年齢を対象とする、子宮頸がんワクチン接種の案内が家に届いた。接種については副反応問題のため差し控えられていた時期もあったので、どうするのか母と話し合った結果、一度病院に行ってお医者さんの話を聞くことになった。

私はお医者さんの話を聞いて、予防接種に対する考え方が変わった。それは、子宮頸がんワクチンの接種を公費補助なしで行うと、3回接種で約4、5万円の費用がかかるということを知ったからだ。私は生まれてから現在まで当たり前のように色々なワクチンを接種してきたが、今まで接種してきたワクチンにもこのような費用がかかっていたのかと驚いた。昨年から接種が始まったコロナウイルスのワクチンは、年齢の幅が広く希望する大勢の人達が無料で接種することができ、大変ありがたいと感じた。また、ワクチンによって完全に病気を防ぐわけではないが、がんを発症する確率と、ワクチン接種で重篤な副反応を起こす確率を比べた話を聞き、予防接種の大切さについて理解を深めることができた。

そういえば以前「ペットボトルのキャップを集めて世界の子供達にワクチンを届けよう」という活動をテレビで見たことがあった。

「なぜキャップがワクチンになるの」と、その時は深く考えなかったが、回収されたエコキャップをリサイクル業者に売り、その収益でワクチンを買い、支援先の国の子供達に届けるという事を今回知った。日本はそのような事をしなくても、子供たちが対象年齢になると役所から案内が届き、一人も漏れることなく必要なワクチンを接種し、未然に病気を防ぐことができていることに感動した。私も「また注射か、痛いし嫌だな」と思いながら打っていたが、この当たり前の事に感謝し、日本に生まれてよかったと思った。

このように私が暮らす日本は、充実した医療制度が整っているので、病気になっても少ない医療費で、すぐに医療機関を受診することができ、また市町村によっては高校を卒業するまで公的補助を受けることができる。祖父が先日、肺炎球菌ワクチンの接種を受けていた。病気になって医療機関を受診するのは当然のことだが、大人になってからも公費でがん検診やワクチン接種を受け、病気を防ぐ制度ができているのも素晴らしいと思った。

この素晴らしい医療制度を成り立たせているのは税である。これまで税について深く考えたことはなかったが、これをきっかけに税について、もう少し理解を深めたいと思った。誰もが「健康で明るい未来が一番だ」と願うだろう。そんな世の中がいつまでも続くよう、私も将来しっかり納税したい。

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