和歌山県租税教育推進連絡協議会

ホーム税に関する作文税に関する中学生の作文一覧 > 中学生の作文表彰作品
大阪国税局長賞
自分のためになる税
和歌山県立田辺中学校 3年
本松 蒼

税についての作文を書くことを母に相談してみた。なぜなら、私は税のことを何も知らず、知っているのは買い物したときに支払う消費税くらいのものだからだ。

母から、自分たちが税の恩恵をどれだけ受けているか聞くことができた。先に私が唯一知っている消費税について調べるように母から勧められた。消費税は平成元年に3パーセントからはじまり、どんどん引き上げられ現在に至る。引き上げられた理由は、おそらく社会保障が大きくなったのだろうと思った。その他にも、身近な税として母が働きお給料から差し引かれる所得税や住民税、家に車を持っていることで自動車税などがあることも母から教わった。

私の両親は、私が4歳の時に離婚し大阪から母の実家である和歌山へ兄と3人で越してきた。母はすぐに仕事につき働き始めたが、生活するに当たりたくさんの手続きをしたことを話してくれた。ひとり親家庭の手続き、これにより児童扶養手当が支給されひとり親家庭の生活の安定を促進し、また医療費の免除も受けることができずいぶん助かったと言う。私は、ちょうど4歳のころ、右耳の鼓膜が破裂し、その頃から病院へ通った。破損した鼓膜は再生するらしいが、私の場合二度目の破裂と、処置が行き届かず再生することができなくなった。母は医療費の負担が無いことは助かったが、仕事を休むことが難しく私を病院に連れて行かなかったせいであると話してくれた。それでも、私の記憶では何度も病院に行ったことを覚えている。そして、私が小学5年生の頃、大阪の病院で鼓膜の再生医療に成功したたくさんの患者さんがその病院に再生術を求めてやってくるという新聞記事から、母はいつもの病院の先生に相談し紹介状をお願いしたそうだ。手術までには検査や投薬など長い時間がかかったが、昨年やっと無事再生手術を受けることができた。

私も母も、鼓膜の再生、人工の鼓膜の手術を何度となく諦めかけた。痛みが伴ったり、気分が悪くなったりと様々な要因がそうさせたが、母は医療費が免除されることでもう一度だけ挑戦しようと思い直し私を励ました。よって医療費に費やされた税金も、次の医療へとつながると母は思ったそうだ。現に、私の手術は多くの医師が見学し研究材料とされた。これも、私は税金に助けられたが、この先に活きる税の使い方だなと思った。そして税のおかげで社会保障が充実していることに感謝している。

税に関する中学生の作文一覧へ戻る