勘佐 華蓮
私が「税」という言葉を聞いて最初に思い浮かべるのは、いつも少しだけ重たい印象でした。
インターネットで「税金」と検索すると、「高すぎる」「無駄遣い」といった言葉がたくさん出てきます。
顔の見えない人たちが、自分の知らないところで勝手にお金を使ってしまう、そんな悪いイメージが頭のどこかにずっとあったからかもしれません。
そんな考えが変わったのは、社会の授業でもし税金がなくなったらどうなるかという、ある動画を見たのがきっかけでした。
そこには、道路はボロボロで穴があって、警察や消防を呼ぶにもお金がかかり、子供が学校に行けない、そんな悪夢のような未来が映っていました。
この光景を見て、私は胸がしめ付けられるような気持になりました。
私たちが当たり前だと思っていた安心で安全な社会は、みんなが納めている税金という「会費」で成り立っているのだと、初めて心から実感したのです。
税金が私たちの暮らしの身近なところで使われていることを知ってから、私はもっと社会のことに興味を持つようになりました。
そして、大阪・関西万博に行ったことを思い出し、「これもみんなの税金でつくられているんだ」と知ることができました。
万博は、新しい技術や文化を世界中の人と分かち合う、とても素晴らしい機会です。
私たちの税金が日本の未来を世界に発信する大きな舞台をつくる力になっているんだと思うと、なんだか誇らしい気持ちになりました。
将来、私たちが万博で見たような技術が社会で活用され、もっと便利で暮らしやすい社会が実現していくでしょう。
そのための第一歩を、今の私たちが支えているのだと思うと、税金に対する見方が大きく変わりました。
それは、ただお金を納めるということではなく、みんなでより良い社会をつくっていくための「未来へのバトン」を渡しているのだと感じたからです。
今はまだ、私自身が税金を納める立場ではありません。
でも、もうすぐ高校生になって、やがて大人になり、社会に出て働くようになります。
その時には、自分もこの「未来へのバトン」を受け継いで、次の世代へと渡していくことになるでしょう。
私が大人になったら、何に税金が使われているのかをちゃんと知ろうと思います。
そして、自分が納めた税金が、誰かの笑顔が、新しい技術を生み出す力になっていると信じて社会の一員として胸を張って生きていきたいです。
税金は、決して難しくて遠い存在ではなく、私たち一人ひとりの願いや希望が詰まった未来を創るための大切な力だと思います。





