大野 瑚夏
幼い頃から、図書館が好きだった。読書が趣味であった私にとって、たくさんの本を無料で楽しむことのできる図書館は、とても魅力的な場所だったのだ。
それと同時に、幼い頃の私には、図書館は不思議な場所でもあった。
世の中には本屋というものがあって、そこではわざわざお金を払って本を買うというのに、ここではなぜ無料なのだろう、と。
私がその「不思議」を解消したのは小学校4年生のときだった。
税についての教室が授業の一環として行われたのだ。
そこで私は初めて、図書館の本は税金によって賄われていると知ったのだった。
これまで税といえば、消費税などの「自分たちが払う」ものという印象が強かった私にとって、その発見は衝撃的だった。
「私達の生活のために使われている税」の存在を知ったのだ。
これまでは払うだけでその行方など気にもとめていなかった税が身近なものとなった瞬間だった。
それから、図書館に行くたびに、私は、図書館の本と税の関係を思い出すようになった。
ここの本は全部、これまでは煩わしさすら覚えていた税金で買われていて、無料で読むことができる。
漢字が得意になったのも、活字を読むのが早くなったのも、図書館のお陰だった。
そして、その図書館を支えているのが税だ。
そう思えば、何気なく手に取っていた図書館の本が、一気に重みのあるものになったような気がした。
もしも税がなくて、図書館が存在しなかったとしたら、私の生活はどうなっていただろう。
読みたい本はすべて、自分で買わなければいけない。
そうなってしまえば、手の出すことのできる本の範囲も限られ、自分が身につけられる知識も偏ったものになってしまうだろう。
それは、私の人生をガラリと変えうるかもしれない、僅かに恐怖すら覚える可能性だった。
それほどまでに、図書館は私にとって生活を豊かにするための重要な存在であり、それと同時に、税も私にとってはとても大切なものであったのだ。
「私達の生活のために使われている税」は、他にもある。
例えば、学校での勉強になくてはならない教科書も税金によって支給されているし、理科の実験教材などもそうだ。
これらが全て家庭の負担となれば、学校に通うことができない人も現れるだろう。
こうしたところでも、私達の生活は税に支えられているのだ。
一括りに「税」というと、「払わなければいけないもの」としてマイナスなイメージを持つ人も多いだろう。
しかし、身の回りを見渡せば、税があるからこそ成り立つ、生活を彩るものはたくさんある。
私は、これからの生活で、税がどこに利用されているのかを意識することが大切だと思う。
皆がそれを意識することで税の重要さは自ずと浮き彫りになっていくはずだ。
「税」とは、私達の生活を豊かにするとても大きな柱の一つなのだ。





