和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
過疎化を防ぐために
和歌山県立田辺中学校 3年
林 省吾

僕が住んでいる田辺市では現在、人口減少が進んでおり、いわゆる「過疎化」の状態になっています。

実際に人口統計を見てみると、新田辺市発足時の平成17年は約85,000人いたのに対し、令和7年には約65,000人と、20年で2万人も減少しているのです。 また、2065年には3万人を切る可能性があるというデータもあります。 田辺市以外の地方の市町村でも過疎化が進んでいるところが多くあります。 そこで、国は過疎化に対してどんな対策をしているのか気になり、調べました。

まず、「過疎法」という法律があるのを見つけました。 過疎法とは、人口減少が著しく、地域社会に活力がない地域で、必要的な措置を講じることにより、よりよい地域社会を実現するために作られた法律です。 具体的には、財政措置として、保育所や公立小中学校などの教育施設、消防施設などの費用を補助するほか、市町村道や下水道などの管理管轄、一部の所得税と法人税の優遇措置などがあります。

これらの措置を講じることで、将来的にも雇用の拡大や産業の振興を図れます。 また、「地方交付税」というものもあり、これは過疎地域のみならずすべての地域に交付されるもので、格差のない公的サービスを行うことを目的としています。 例えば、警察や消防、ごみ処理などの費用や医療費等に利用され、僕たちの日常生活と密接に結びついています。

このように、国では過疎化の対策のために多くの費用を出して支援していることがわかりました。 しかし、他の支援の仕方もあると思い、僕たちの地域を例に考えてみました。 この地域には、世界遺産に登録されている熊野古道や美しいビーチが有名な白良浜、そして白浜温泉や龍神温泉などの多くの温泉があります。

そこで、このような観光資源や美しい自然を魅力に移住者を増やすのはどうかと思いました。 例えば、過疎法の財源措置の一部を、SNSを駆使した魅力の発信の費用や空き家バンクの有効活用、地域と連携し、住民が使える温泉の無料チケットを作る等が挙げられます。 また、この地域ならではの自然を見ながら仕事ができるリモートワーク用の施設を作るなどもあると思います。

このように、もっとそれぞれの地域に寄り添った支援をすることで、移住者の増加とともに、都市部などへの転出者の減少も見込むことができるほか、観光客の増加による地域社会の活性化にもつながると思います。 このような支援をし、国の大きな課題の一つである過疎化をできるだけ抑えるためにも、税金は必要不可欠だと改めて感じました。

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