和歌山県租税教育推進連絡協議会

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大阪国税局長賞
「納得」へのカギ
和歌山県立桐蔭中学校 3年
阿部 真奈

子供を育てるために必死に節約し、一生懸命働いている。 あるシングルマザーの家庭に密着した動画だ。

私はふいに視聴者の反応が気になり、コメント欄を開いた。 「大変そう」「頑張ってほしい」というコメントが溢れかえるなか、私はこんな言葉を見つけた。 「僕の払った税金がこの人たちのために使われていてほしい。」 私はこのコメントをみたとき「この人たちのためになる」って具体的にはどんなことだろうと思った。。

実際に調べてみると、ひとり親世帯への支援は充実しているようだ。 そして、年間教育費の一部や教科書の代金、さらにはごみ処理費用や国民医療費など生活に必要なことまで税金が担っているということが分かった。 あまり実感がわかないが、私たちは税金に大いに助けられているのだ。 しかし、「増税」しようとすれば批判が殺到する。

私たちの生活を豊かにしてくれるはずの税金なのに、なぜ反対する意見が多いのか。 それは、国民が税金のありがたみを忘れて、負担だけがかかっていると思っているからだろう。 私たちは再度日々の当たり前のサービスに感謝しなければならない。 そして、政治においても国民が安心して税金を納められる使い方をしなければいけないと思う。 国民の「納得」が増税へのカギなのだ。

成功例として、ヨーロッパのある国のことが挙げられる。 デンマークの消費税は25%であるにも関わらず、誰も「高い!」とは言わないそうだ。 そればかりか、国民の幸福度調査では常に上位にランクインしている。 それは、デンマークでは幼稚園から大学までの教育費が、さらには病院での治療費までもが無料であるからだ。。

つまり、「高い税金を払った分、自分たちの生活が楽になっている」と実感できたら、喜んで税金を払うかもしれないということだ。 現在の日本は国民が納得して税を納められる国づくりが大きな課題になっている。 その一歩として、「高校完全無償化」が視野に入れられているが、実行しようとすれば国の負担額は追加で1,000億円必要になるそうだ。 そうなれば、必然的に増税を余儀なくされるだろう。 私たち学生にとっては、学費を気にせず自分の学びたい高校に入れる画期的な政策であるが、現に税金の納めてくれている大人たちはどう思っているのか。 幅広い世代の意見を聞くことがカギになってくる。 そして、国だけではない。。

私たち国民も自分が支援されている立場であることを忘れず、感謝の気持ちと広い心を持つことが大切だと思う。

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