和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
子どもの未来を支える税
和歌山県立古佐田丘中学校 3年
吉田 実生

もしあなたが親になった時、生まれてくる赤ちゃんの顔に障害があったらどう思いますか。私は先天性の障害である口唇口蓋裂がありました。お母さんのお腹の中で受精卵から赤ちゃんになる過程でおき、生まれた時に唇や口の内側、歯茎がつながっていないことが特徴です。母は出産前にショックを受けたけど、主治医の先生から「手術で治るから大丈夫だよ」と言われて安心したそうです。私は生後3ケ月の時に全身麻酔で唇の手術をしました。そして5歳で耳の軟骨を鼻に移植する手術を受けました。口唇口蓋裂は歯並びにも影響するため、小学生の時に歯の矯正治療を受けました。今でも1年に1回は大学病院で診察を受けています。

また、私はアトピーもあるため定期的に皮膚科に通って薬をもらっています。病院では多くの人が薬をもらう為にお金を払っています。しかし、私は母がお金を払う場面を見たことがありません。この薬にはお金を払わなくていいのかなと不思議に思い「なぜお金を払わないの」と母に問いかけました。「それは医療保険と税金が、実生ちゃんの医療費を負担してくれるからだよ。」と母からきいて、そんなことに税金が使われているのかと私は驚きました。なぜなら、それまでの私の税金のイメージは、生活保護や年金など、普段の生活とは結び付かない、自分とは直接関係ないことに使われているものだと感じていたからです。そして、橋本市に住んでいて保険証があると18歳までは医療費が無料で受けられることや、口唇口蓋裂の手術や入院の時も国の制度で治療費の助成を受けたことも、母が教えてくれました。日本では、病気や怪我をした時の治療費は、医療保険に入った人が分担費を出し合って助け合う仕組みだそうです。でも分担費だけでは足りないので、国や自治体が不足分を税金で補っていると分かりました。

口唇口蓋裂は顔に障害があるため、昔は偏見やいじめがあったり、精神的に追い詰められたりすることがあったそうです。私も自分の顔にコンプレックスを持った時もありますが、幼い頃に大学病院の専門的な治療を受けたので傷もそれほど目立たなくなり、胸を張って生きていけます。費用が出せなくて治療を受けられないとか、障害による偏見で困る人がないように税金が使われているのです。だから、税金はとても重要なものであり、ありがたい存在だと思いました。

税金は私たちのような若い世代にも使われていて、私たちの命を守り、私たちのこれからの人生を明るくするために役に立っていることを知りました。だから私は、成人になり仕事ができるようになったら、しっかり納税をして、子どもたちの未来を支えていきたいと思います。

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