和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
命を守る税金
串本町立串本中学校 3年
西野 奏空

わたしは小学生の時からサッカーを続けています。3ケ月前、試合中に捻挫をしてしまい、生まれて初めて松葉杖での生活になりました。病院での受診を済ませ、受付に行った際、「お支払いはありません。」と言われました。それを聞いてとても疑問に思い、医療費について調べてみようと思いました。わたしの住んでいる町では、子ども医療費助成制度というものがあり、15歳まで医療費を町が全額負担してくれています。そのおかげで怪我や病気の時には、安心して病院で治療を受け、薬をもらうことができることがわかりました。大人の場合でも、医療費の1割から3割の自己負担で病院を受診することができることも知りました。もし、医療費を全額負担しなければならなくなると、具合が悪くなったり我慢をしても容易に病院へ行けなくなるかもしれません。

海外の健康保険制度についても調べてみました。イギリスやフランスでは、医療保険制度はあるものの、かかりつけ医や診療所など登録制となっており、日本のように患者が自由に病院や医師を選ぶことが難しいようです。またアメリカでは、民間保険制度が中心のため、所得に応じて受けられる医療に格差が生じたり、受診できる医療機関が限られていたり、無保険者も多いことが分かりました。アフリカではもともと植民地にされていたケースが多く、土地をより多くの収穫が望めかつ利益が出やすいサトウキビなどの農園にされた経緯があるのだそうです。収穫された作物は、国内で消費するのではなく、先進国に輸出することを目的としており、人々は劣悪な労働条件で働かされていました。この名残りから、いまだ単一栽培中心の農業が大半を占め、他の産業が発達しにくいのです。これらが原因で民族同士の関係が安定することなく紛争が頻発しました。多くのものを奪われてきた悲しい現実が現在の貧困につながっているのです。子どもたちは、教育が受けたくても学校が少なかったり、宗教的な差別などから女の子には教育を受けさせないなどの根深い問題もあります。アフリカの主な死亡原因は、肺炎、下痢、マラリア、結核などの病気です。こられの病気の原因は、細菌やウイルスなどが多く入った汚水を飲まざるを得ない現状が考えられ、また、家の近くに病院がないため治療を受けることができないのです。

わたしは、日本という国に生まれて本当にしあわせだと改めて感じました。日頃、当たり前のように勉強をしたり、病院へ通えたり不自由のない生活ができることにどれだけの税金が活かされているのかを考え、どれだけの人々に支えられて、わたしたちの生活が成り立っているのかを学ぶことができました。今受けている恩恵を大人になった自分がしっかりと恩返ししたいと思います。

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