楠木 さくら
税金が上がることに対し、批判的な意見もよく耳にするが、その背景には物価の高騰や少子高齢化などの時代背景が深く関係していることを考えているのだろうか。
私は「税」について考えた時、そういった時代背景に比例し、例えば社会保障関係費として、私たちが安心して生活していくために必要な医療、介護、福祉、年金、生活保護などの公共サービスにおいても、手厚い社会にしていく必要が出てくるので、増税していくことは、私たち国民にとって必要不可欠で時代に即したものであると改めて強く感じることができた。
先日、母の実家に行った時、祖母が母に、「介護保険料も医療保険料も上がって大変だよ。介護保険制度が始まってから納めているけどお陰様で今は元気で使わずに済んでいるよ。でもいつかお世話になる時がきた時のためにねぇ…。」と話しているのを聞いていた。
私の曽祖母は現在96歳で、介護老人保健施設に入所している。
曽祖母は、叔父さん家族と共に生活していたが、数年前に曽祖父が他界し、それ以降、曽祖母は日中独居生活となった。なぜなら、叔父さん家族は皆働きに出ているからだ。それでも、通所リハビリテーションに通いながらも生活できていたが、去年の夏、いよいよ日中独居生活が困難になってきたため、介護老人保健施設に入所する運びになったのだ。
このように、曽祖母は在宅でいる間も、施設に入ってからも、介護保険に支えられ、生活することができているのだ。
祖母が言っていたように介護保険料を納めていれば、それによっていつかお世話になる未来も訪れるかもしれないのだと実感した。同時に、納めた保険料で、世の中が成り立っているということは、国によって守られているという安心に繋がるのだと、本当に考えさせられる良い機会になった。
また、様々な家族構成・家庭環境があり、全ての国民一人一人が安心して生活していくためには、税金がなくてはならないものだということに気付かされた。
曽祖母が施設に入所できたお陰で、叔父さん家族は安心して働きに出ることができ、それで得たお給料から、所得税・住民税・社会保険料など、納められている。
私は中学生で、「消費税」ぐらいしか、身近に「税」は感じていなかったが、税金は、「社会を支え、私たちの生活を守ってくれる重要なもの」であるとさらに理解を深めることができた。
将来、私が働くようになり、税金を納める立場になっても、「税」によって支え合っている社会に感謝の気持ちを忘れずに「税」にはその時代に即した背景があり、全ての国民が安心して暮らせるものだということを念頭に置き、これから「税」への知識を深め、生活していきたい。