和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
自然を守る税
岩出市立岩出中学校 3年
高橋 心愛

私が住んでいる和歌山県は、森林面積が約36万ヘクタールあり、県土の約77%を占めている。これらの森林は、良質な木材を生産するだけでなく、山崩れや洪水などの災害から私たちを守り、水を安定供給してくれている。しかし一部の森林は、林業従事者の減少や高齢化、コストが高いなどの理由から、整備がされず放置された状態となっている。その結果、荒廃した森林が増加し、山崩れや洪水などが心配されている。

それに対応するために、和歌山県には「紀の国森づくり税」というものがあるそうだ。私はこのような税が自分の住んでいる県にあることを知らず、税について調べている時に初めて知った。

「紀の国森づくり税」は、平成19年4月から導入され、令和4年4月1日から適用期間が更に5年間延長された。未成年者など一部の人を除いて、一人年額500円納めるそうだ。その収入は「紀の国森づくり基金」に積み立て、「紀の国森づくり基金活用事業」として、様々な施策に活用されている。例えば、森林整備や植栽活動、小中学生などを対象にした森林・林業体験学習などを行っている。また、新聞やラジオ、パンフレットで呼びかけたり、「わかやま森林と樹木の日」という行事を開催したりもしている。このように、県民が納めた税金は、森林を守り育て、次の世代に引き継いでいくために活用されている。

和歌山県は古くから「木の国」と呼ばれ、優れた技術でスギやヒノキなどを生産し、全国有数の生産地だった。また、県木であるウバメガシを原木とする紀州備長炭は、田辺市でその製法が完成され、全国に広められたといわれている。しかし、こういった森林との関わりは、時代とともに減りつつあるそうだ。そうした中、2004年に、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されたことをきっかけに、改めて森林の重要性や人と森林の関わりが見直されてきた。

今回調べて、和歌山県では、森林の環境や人と共生する文化を守るために、税金をもとに色々な事業が行われていることが分かった。今まで消費税などの身近な税しか知らず、税金を払う意味はあるのかと疑問に思っていた。しかし、私たちの生活には欠かせないもので、自然を守るためにも使われていることを知った。

また、「紀の国森づくり基金」のサイトには、その目的の一部に、「森林を県民の財産として守り育てる」と書かれている。和歌山の森林は私たち県民のものであり、それに関心を持って守っていくことが大切だと思う。私も将来、税を納めて、和歌山県の森林を次の世代に引き継いでいきたい。

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