橋﨑 真琳
私は今、中学2年生です。来年に受験を控え、両親や友人と進路の話をすることが多くなり、行きたい高校や将来就きたい職業について考えている最中です。私には、小学生の頃から消防士になりたいという夢があります。消防士になる為の道を調べる中で、消防は、「誰もが平等に受けることのできる公的サービス」だということは知っていましたが、なぜ民間ではいけないのだろうかという疑問がありました。また、消防に限らず、救急車でも、危険を伴う作業をするのだから、利用した人にいくらか料金を請求すればいいのにとも感じており、今回作文を書くにあたって少し調べてみることにしました。
消防士は地方公務員であり、その人件費や活動費は、国や自治体に集められた税金が使われています。税収の少ない地域で受けられるサービスが少なくなるといった問題が起こらないように、国が集めた税の一部は、地方交付税交付金として調整して分配されているそうです。私の住んでいる和歌山市の令和6年度の消防予算を調べてみると60億円でした。民間で毎年これ程の金額を、いつ起きるか分からない火事のために集めるのは不可能だと思います。消防士の訓練や消防車両など、準備と維持にお金がかかることを考えると、税金でなければ成り立たないのだと感じました。
では、利用した人に料金を請求しても良いのではないかという点についてはどうでしょうか。無駄な出動を減らせるという反面「お金がないから消防車や救急車を呼ばない。」という人が増える可能性があります。自分で何とかしようとして火傷をしたり、最悪の場合、命を落としてしまうこともあるかもしれません。このような状況は絶対に発生してはいけない問題なので、市民に対して適正利用を求めながら、税金で成り立たせていくのが一番の方法だと思いました。
現在、和歌山市では、34万人の市民の安心安全を守る為に、約400人の消防士が働いてくれているそうです。自宅近くにある消防署でも、酷暑の中、消防士の方達が毎日訓練に励んだり、いつでも出動できるように消防車や設備のチェックをされています。日常生活では行くことのない消防署も、乗る事のない消防車も、税金で賄われている「みんなのもの」なんだと思うと少し身近に感じるようになりました。私も大人になったら、納税はもちろんのこと、消防士になって大好きな和歌山市の為に貢献したいと思います。