梅谷 彩花和
カンボジアに架けられた「つばさ橋」を知っていますか?この橋は、日本の「政府開発援助=ODA」によって建設、二〇一五年四月に約百二十億円かけて完成されました。カンボジアの人達は皆、この「つばさ橋」は日本の支援でできた橋だという事を知っていて、日本に対する感謝の気持ちがあふれていました。橋のたもとには「日本の人々からの贈り物」と書かれた銘板がはめこまれています。私がそれを知ったのは、とあるテレビ番組がきっかけでした。この橋は、「カンボジア経済の動脈」と言われるくらい現地で暮らす人々にとっては大切な道路になっていると同時に、この橋が開通したことにより物流効率が劇的に変化したと言われています。
私は、この番組を通じて初めて「ODA」という言葉を知りました。今まで「税金」は日本国民のためだけに使用され、日本が豊かになるシステムなのだと思っていた私にとって、すごい驚きでした。自分達が納めた税金が、世界の開発途上国に対する資金や技術協力という形で使用されている事はすごい事だと感じました。日本は、戦後全て失った状態の時に、全世界の国々からたくさんの助けを受けて発展を遂げたと授業で習った事があります。東日本大震災の時も世界各国からのたくさんの募金やボランティアに助けてもらっている映像を見ました。
私は、戦争を体験した事もないし、東日本大震災も映像でしか見た事がありません。でも、戦後の大変な時に世界の国の人達が助けてくれたから今の日本があり、自分は生きている。あの時助けてくれた人がいるから、今の自分は生かしてもらえているのだと思います。だから、今の自分には、まだ消費税という形でしか税金を納める事ができません。でも、その税金によって誰かを救える事が出来るのであれば、それはきっと私も、私を生かしてくれた人にとっても素晴らしい事だと思います。
自分の納めた税金が、日本を豊かにする事に活用され、また世界の人達に色々な形で届けられているのだと考えると、少し誇らしくも感じます。それと同時に、今の自分がいる事への感謝も忘れてはいけません。
「税金は、リレーのようなものだ」と、ある記事で読んだ事があります。ずっと昔からバトンでつながれてきて、自分もそのバトンを受け取ったら次の人に繋げていかなければいけません。だから、その時がきたら、私は次の人にバトンと一緒にこの話を伝えていきたいと思います。