和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
税金のおかげ
紀の川市立荒川中学校 3年
森 鈴

「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」これは、教科書の裏に書かれている2文だ。私は、「これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、ってそこまで深い意味はないだろう。」と、この2文を見るたびに、そう思っていた。私は、この2文を見て、税金にありがたみを感じはじめたのは、つい最近のことだった。

2019年12月、他国で新型コロナウイルスが発祥した。それが各地に広まり、日本までやってきたのだ。

2020年4月、緊急事態宣言が出、私達は学校が休みになったのだ。最初、私は新型コロナウイルスがどれほどの危険なウイルスなのかを知らなかったので、何が起こっているのか良く分からなかった。各地では、オンライン授業が多く行われている。私は今、普通に学校へ通っているが、私のいとこが学校の休業を受けて始まるオンライン授業に備え急遽パソコンの購入を決定した。その資金となったのが、国民全員に配布された、特別定額給付金だったのだ。オンライン授業が予定外であったので困っていたのだが、給付金のおかげで、必要な環境をそろえることができたのだ。同じように、給付金に助けられた家庭は多かったのではないだろうか。私達の毎日を税金が支えていることを実感することができた。さらに、ワクチンや治療薬といった私たちの命を守る物すら、税金が支えてくれている。

しかし、私は、税金にありがたみを感じられているのか。前までの私なら「いいえ」と答えていただろう。今の過ごしやすい豊かな生活に慣れてしまっているからだと私は思う。もし、税金がなかったら、今のような暮らしは待っていなく、安心して暮らすことができなかっただろう。私が感じた、日本で安心して暮らせることの理由は、日本にしっかりとした税金の制度があり、一人一人が税を納めてくれているおかげだからだと思った。

これまで私は、税金はどれほど大切なのか、ありがたみとは何だと疑問を持つ側の人間だったのだが、このような出来事が身近で起こって初めて、税金はたくさんの人を救っているのだということに気づかされた。

教科書に書いてあるこの2文には「これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ」と書かれている。税金の役割と必要性を知り、納税の義務を前向きな気持ちでしっかりと果たせる大人に、私はなりたい。

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