和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
社会を守る税金
智辯学園和歌山中学校 3年
三木 蒼人

私は日頃、買い物をしているときに、税金の存在を感じていた。定価が100円だったとしても、消費税が上乗せされて110円になる。小さな買い物ならそこまで気にならないが、定価1万円のものを買うときは、それに千円もの消費税を払わなければならず、その意識は大きくなっていた。しかし税金を意識する機会はそのような買い物の時くらいで、日常で意識することはほとんどなかった。

そんな中、先日、税金の大切さに気づく出来事があった。

私は生まれつき胸に病気があり、それを治すために手術を行うことになった。手術が無事に終わった後も1週間ほど入院し、リハビリを完全に終えてようやく退院することになった。入院中も退院時も、両親が手術にかかった費用などを払う様子を見る機会はなかった。そこで退院後、どのようにして、決して安くはないであろうその費用を払ったのか、母に聞いてみた。母は、「入院や手術の費用は、健康保険を使い、ある程度は自己負担したけれど、その自己負担分も市に申請することで多くを支払ってもらえたのよ。」と言った。「なるほど」と思い、私は、医療費に使われている税金について詳しく知りたいと思った。

調べてみると、税金などから集めた国の予算の中、一番多く使われているのが「社会保障」であり、全体の3分の1ほどを占めているそうだ。その内、国民医療費は社会保障関係費の2分の1を占め、国民1人当たり、1年間で約13万円も支援されているそうだ。

また、これらの費用をどうやって集めているのか気になり、国の収入についても調べてみた。国の収入の内、5割強が「租税や印紙収入」によるもので、税収のトップ3が消費税、所得税、法人税であるそうだ。

私はこれまで、税金は何かをする度に集められ、国のお金になってどこかで使われているのだと、その使い道は遠い存在だろうと思っていた。しかし、税金は私たちが豊かで安心できる暮らしをするためにあり、私たちを守る存在であるということに気づいた。

現代の日本の社会は少子高齢化が進んでいる。この問題の中には、社会保障の費用が増加していくということ、その費用を負担する働き手が減っていくということがあるそうだ。今、私は中学生だから働くことで税金を支払うことはできない。でも、普段支払っている消費税が、私がしてもらったように、誰かの生活や命を守る事業に繋がっていると考えれば、潔い気持ちで消費税を払えるだろう。

税金に対して良いイメージが少ない中、このような考え方を広げて、日本の社会に貢献していく必要があるのではないかと思った。

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