和歌山県租税教育推進連絡協議会

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大阪国税局長賞
当たり前を大切に
由良町立由良中学校 3年
三橋 華紗

2021年7月3日に発生した静岡県熱海市の土石流災害。毎日ニュースで流れた映像には、大きな岩や木を巻き込んだ土石流が、そこに暮らしていた誰かの大切な思い出のつまった家々を泥まみれにして押し出す様子が映っていた。生活の全てを飲み込む被害を目の当たりにし、私は言葉を失い、ただテレビに映るその光景を見つめるしかなかった。毎日、死者や行方不明者が増え、私は自分のことのように悲しく辛い気持ちになった。

恐ろしい災害で人の幸せを奪う土砂災害、私には何ができるだろうか。土石流で被害を受けた静岡県熱海市に、今年9月に交付される予定の普通交付税の一部、4900万円が時期を繰り上げて7月12日に交付されることが決まったというニュースを目にした。

日本の税金には様々な種類があるが、中学生の私には一番身近な消費税が思い浮かぶ。初めて、普通交付税があるということを知った。調べてみると、普通交付税は自治体の財源不足を補うために国から4回に分けて交付されていて、災害で大きな被害を受けた場合には、時期を繰り上げて交付できるそうだ。道を通れるよう整備が行われ、茶色でどろどろだった道が少しでも綺麗になっていく様子がニュースで流れた時、1日でも早く安心して暮らせるよう願うしかなかった。大規模な土石流災害で自宅を失われた方、避難生活も長期化する方もおられ、その不安や心配は想像もつかない。このような突発的で大規模な災害に対して、数えきれない程の自衛隊の人々、警察官、消防士、医療関係の人など、たくさんの人が税金によって人の命を救ったり、色々なところでつながっている。また、橋や道路、堤防などの修復費用なども税金から出されていることが分かった。

私達が当たり前だと思っていたことは、実は当たり前ではなく税金が私達の暮らしを支えてくれていることに気付かされた。そして、今まで日常生活でその使い道を何も考えず納めていたことを恥ずかしく思う。今回、その使い道に少しでも目を向けることで、自分が納めた税金が何の役に立っているのか、新しいことに多く気づけた。そして、自分が無意識に払っていた税金が意味のあるものだと知った。

私が払う消費税は、大した額にはならないかもしれないが、将来働くようになり払う税が多くなっていく中、税金が何に使われているか、もっと理解することが必要だと思った。税金が何に使われているか多くの人は知らないだろう。しかし、税金で救われている人がたくさんいることをもっと理解するべきだと思う。自分が納めた税金が、知らない誰かを救うかもしれない。知らない誰かが納めた税金が、私を救ってくれるかもしれない。

将来、看護師になりたいという夢を叶え、社会に貢献していけるよう、将来のために今できることを精一杯頑張りたい。

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