和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
私の身近な税
和歌山県立日高高等学校附属中学校 3年
土井 希

私は、小さい頃から御坊市の図書館をよく利用している。絵本や紙芝居を借りたり、時には「お話の会」に参加したり…。

今年の夏休みもいつものように図書館へ足を運んでいて、ふと疑問がわいた。

「図書館はなぜこんなにたくさんの本や紙芝居、CDやビデオ、DVDなどが無料で借りられるのだろうか」と。

調べてみると、御坊市の令和2年度予算では一般会計歳出合計のうち9.4%が教育費。図書館の運営費はその中に含まれることがわかった。そして2017年の図書館年間運営費は1811万円。しかも職員数は7名。もしかしたら、新刊の購入費の他に、職員さんの給料もこの中に含んでいるのだろうか。

このように御坊市の教育費の予算などを見ていくと、今年も私の母校の小学校ではトイレの改修工事が行われたり、給食センターの改修や新しい機械の導入など身近なところに税金が使われることがわかった。

一般に「税金を納める」というが「税金を取られる」という言葉を使うのも耳にする。「納める」と「取られる」はずい分と違う。日本の憲法では国民の三大義務のひとつに「納税の義務」がある。「取られる」とはまるで江戸時代にでもさかのぼって「悪い役人から搾取される」イメージだ。

新聞やテレビで「脱税」のニュースが流れると「またか」と思ってしまう。

私は、少しでも私腹を肥やそうと「脱税」するのは本来の「税のゆくえ」を知らないからだと思う。私たちは学校でまたはパンフレットなどの資料で「生活と税」について勉強する機会がある。大人になって生活しているうちに、さまざまな公共サービスの恩恵を受けていることに気付かなくなるのだろうか。身の回りの当たり前に思っている学校が、警察署が消防署が、水道やゴミの処理など…公共サービスや公共施設のすべてが私たちの税金でまかなわれていることを忘れてしまっているのだと思う。

「税の負担」についても利益のある企業や国民が納めているのだ。収入の少ない高齢者や学生、天災や人災などで一時的に収入のない人には、税の免除や減額など、常に私たちの暮らしは守られている。

このように、私たちの暮らしの安定がこれからも続くようにするには、少子高齢化の日本ではどうすればよいのだろうか。

私は、まだまだ働ける元気な高齢者の雇用延長やボランティア活動をすすめる事が良いと思う。高齢者の知恵や技術を現役世代に伝えていく事で、お互いの立場や理解が深められると思うからだ。

私たち学生世代も今すこし「税について」の勉強も続けていけば良いと考えている。

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