和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
今、必要とする人の元へ
海南市立下津第二中学校 3年
松島 紬希

今から数年前のこと。ある日、突然祖母が倒れた。救急車の音が大きくなるにつれ、鼓動が早くなった。何度も何度も深呼吸したが落ち着くことはなかった。救急車が家の前に停まった時、私はなぜか少しだけ安心することができた。救急車が来たから安心という訳ではない。が、救急団員の方々の懸命に命を救おうとしている姿勢を見て祖母を救ってくれると心に思えたのだと思う。

その後、祖母は回復し、今は元気に生活できている。祖母を救ったといえる救急車は国民からの税金で動いている。もしかしたら、「この世に税金なんて必要ない」「なぜそんなに払わなければいけないんだ」と言葉にしたり、心で思ったりしてしまったことがあるかもしれない。しかし、税金についてもっと詳しく知ってみると税金についての新たな発見や、「税金は必要だ」と断言して思えるようになると思う。そこで私たちの生活の中で身近な税金の使い道について調べた。

記載されていた内容にこのようなものがあった。公立学校の児童・生徒一人当たりの一年間の教育費負担額の、小学生は87万6000円、中学生は101万5000円だった。小学校6年間で525万6000円、中学校3年間で304万5000円となる。そして小学校、中学校の計9年間で830万1000円となる。これだけの額を税金で出しているため、私たちは生活できていると言っても過言ではない。ほとんどの人が通う、小学校・中学校の9年間の間に830万1000円という大金を出してくれるのが税金と分かった今、税金は必要ないと言えるのか。小学校・中学校の間だけ税金で払ってくれるという訳ではない。公共施設であったり、橋や道路、それから高齢者の方々がもらうことのできる年金だってそうだ。日頃、町を歩いていてこの道路は税金で出来ていると思うことはないかもしれない。しかし、町のほとんどが税金で出来ていると頭に入れておくことが重要である。また、今の自分だけではなく、将来の自分について考えてみることも税金の使い道を知る大きな第一歩に繋がるかもしれない。

もし、あの時、税金というものがなく簡易に救急車を呼ぶことができていなかったら祖母は帰らぬ人となっていたかもしれない。「税金」というものはなくてはならないものだ。自分が困った時でも「大丈夫」「いらない」のではなく、常に万が一の時のことを考えて欲しい。そして今、税金のお金が必要だという方の所に私は届いて欲しいと考える。

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