和歌山県租税教育推進連絡協議会

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大阪国税局長賞
税金を有効に
海南市立亀川中学校 3年
中井 咲良

先日、父から「特別定額給付金」を受け取ったと聞きました。この給付金は国民一人ひとりがもらえるお金であるため、私も最初、自分のお金として何を買おうか、それとも貯金をしておこうかといろいろ考えました。友達に聞いてみても、自分の欲しいものを買ったり、家族のものになって自分の好きなように使えなかったりと、一人ひとり使い方は様々でした。私はとりあえず貯金をして、買うものは後から考えようかなとなんとなく思っていました。そんな時、母から「本当にその使い方でいいの?」と言われました。私はこの一言でハッとして、給付金の有意義な使い方を初めて真剣に考えはじめました。

この特別定額給付金の原資は税金です。またニュースでは、飲食店を経営されている方が営業時間の短縮や休業を強いられ、経営を続けていくことが厳しくなっている姿や、休む暇なく患者さんの対応に追われている医療従事者の方の姿が大々的に報道されていました。その一方、私の両親は緊急事態宣言中も普段と変わらず仕事に行っており、収入が減ることもなく経済的に今までと何ら変わりなく生活ができています。学校が休みになっているとはいえ普段通りの生活を送れいている私が本当に給付金を受け取ってもいいのか、もっと困っている人がもらうべきではないのかと、いろいろな考えが頭をよぎりました。

そこで家族に相談したところ、募金をするという使い道もあることを知りました。募金はこの給付金の本来の目的ではないのかもしれないし、もちろん給付金を受け取らないという手段もあります。ですが自分のお金として自分自身で使い道を決め、誰かの力になりたいと強く思いました。そしていろいろな選択肢を調べ考えた結果、最終的に私が導きだした答えは、半分の5万円を医療従事者の方々に募金し、残りの半分を貯金しておくというものでした。自分の好きなものを買う人もいる中で誰かのために使いたいと思ったものの、全額を募金すると決断しきれなかったというのが正直な気持ちです。

今回、給付金の使い道をいろいろと考える中で、給付金の原資は税金であることを知り、だからこそできるだけ有効に使いたいと思いました。またコロナウイルスの報道を通じて、国が税金を使っている様々な政策についてより理解を深めることができました。メディアで話題となっていた「アベノマスク」のように国民が納得できないような使い方をする場合も知りました。コロナウイルスの影響で失ったものは多いけれど、この機会に大切なことを学ばせてもらったのかもしれません。

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