和歌山県租税教育推進連絡協議会

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全国納税貯蓄組合連合会会長賞
「誰か」を支援する税
開智中学校 3年
小泉 佳菜

私は、心に決めていることがある。それは、「将来、国の税を担う一員として、自分にしてもらったことを返せる人になる」ことだ。

小学一年生の時、私は転校を経験した。私は慣れない環境に動揺していた。「友達はできるかな」不安しかなかった。だが、給食を食べたとき、不安は安心に変わった。いままでお弁当の味しか知らなかった私にとって、温かな給食は背中を押してくれるものだった。

美味しくて、子供の学校生活の大きな楽しみとなる給食。なのに安く、また平等に食べることができる。ふと不思議に思った。母に聞くと「それは、みんながみんなの幸せのために納めている税によって、支援されているからよ。」と言った。

今、自分が食べている給食代はがんばって働いて税を納めてくださったたくさんの誰かによってまかなわれている。なんだか気が遠くなる気がした。でも、私たちを笑顔にする給食や教科書、「教育」だけでなく、「生活」を保障してくれているシステムが「税」だということを知るたび、感謝の気持ちがあふれた。

しかし、今の日本の税のシステムは、決して歓迎されてはいない。新型コロナウィルスによる休校中に、新聞やニュースを見る機会が増え、知ったことだが、今は少子高齢化によって社会保障費はどんどん値上がりし、働く世代への税の負担が大きい。友達の意見を聞いていても、負担の大きさ、使い道の不透明さなどから、税に対して好意的で、将来税を納めていくことに対して意欲的である人は少ない。だが、顔が見えないこそ税の意味は見失われがちであるが、自分の納めた税で、本当に誰かが笑顔になっていることを知れば、税に対しての見方も変わるだろうと私は思っている。でも顔が見えればそれは公平性を欠くことにつながるかもしれない。よって、私が今考える最善の策は、「知る」ことだ。大人に与えてもらった教育を活かして、税について学ぶこと。この税の作文を通してもそうだし、税についての教室も効果的である。私自身も、税についての教室を通じて税についての理解をより深め、税を将来働いて納めていきたいとより強く思うようになった。そして、税の本質について税でまかなわれているものを見るたび、考えるようになった。

家族は私にこう言う。「自分にしてもらったことを、返してあげられる人間になりなさい。」と。

私を税で支援してくださっている人たち。将来働いて税を納めることで、この方たちへ感謝を表せることを私は知っている。だから、「将来、国の税を担う一員として、自分にしてもらったことを返せる人になる。」

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