和歌山県租税教育推進連絡協議会

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国税庁長官賞
私達の暮らしを支える「税」
和歌山県立日高高等学校附属中学校 2年
寺井 巴菜

連日、新型コロナウイルス関連のニュースが報道されている。世界中にこの感染症が広がり、大変な事態となっている。私達は、3月から休校となり、約3ヶ月間、不要不急の外出を避け、自宅での自粛生活をした。その期間、テレビや新聞を見聞する機会が増え、その中でも「税金の使われ方」に、日本国民が注目したのではないだろうか。私も、その中の一人である。

まず、大きく税金が使われた事は、布製のマスクの配布だ。各世帯に2枚配布され、私達の中学校では、2回配布があった。使い捨てマスクが一時品薄になり、洗って再利用可能なマスクはとても有難かった。しかし、賛否両論の声が寄せられた。サイズが合わない等の理由でマスクを使わない人がいる。市町村などで回収ボックスが設置され、使わない人が寄付をし、必要としている人のもとに配布されたのである。今でも深く心に残っている事だ。その後、全国民に一人あたり一律10万円の現金給付があった。どちらも「税金」が使われ、私達に届く。改めて「税」の凄さを感じ、感謝の気持ちでいっぱいになった。

税金が大きく使われたのは新型コロナウイルスに関してだけではない。令和2年7月豪雨があり、熊本県を中心に甚大な被害があった。日々の生活の中で、何が起きるかは予測不能だ。救助隊の方々のお陰で助かった命がたくさんあると思う。被災地の方をニュースで見た時、本当に心が詰まる思いになった。被災地への物資や再建、復興に税金が少しでも多く使われて欲しいと強く願う。

また、私の出身校では、隣の地区の小学校と統合する事が決まり、増築、改修工事が現在、進められている。運動場に仮校舎が建てられ、一定の期間児童はその仮校舎で授業を受けるそうだ。校舎が綺麗になるのは、とても嬉しい。新しい校舎に通える児童はもっと嬉しい事だろう。そして、その工事にはたくさんの税金が使われている事を決して忘れてはならない。

このように「税」は私達の暮らしになくてはならないものだ。その莫大な費用は、国民が納めた「税」である。だからこそ、どのように使われたのかは知っておくべきだと思う。日々の社会問題について関心が薄い人は多いように感じる。「税」についても、一度学習し、知っている事や理解した内容であっても、より理解しようという気持ちが大切である。今、日本は少子高齢化が進み、これから先、税を納める働き手が減っていくと予想される。私達がどのような未来を築いていけるのかは分からない。よりよい未来、よりよい暮らしを「税」がつないでくれるのだと信じて。

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