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和歌山県知事賞
「明日をつくる税」
和歌山県立桐蔭中学校 3年
川嶋 陽菜

「税」それは私にとっての未来だ。昨年まではそんなこと、思いもしていなかった。毎回買い物をする度についてくる消費税に、うんざりするほどだった。そんな毎日に、税を身近に感じられる出来事が起こった。

私には、二歳年下の弟がいる。私も弟も、同じ地元の小学校に入学し、卒業した。その後、私は公立の中学校へ進学したのだが、この春、晴れて中学一年生となった弟は、私立の中学校へ進学した。そんなある日、私は弟の書類を見て驚いた。そこには必要な入学金や授業料など、私には手の届かないような金額が記されていたのである。そのとき、私は小学生のときには感じもしなかった公立の良さとともに「税」のすばらしさを感じることができた。普段、何気なく通い、暑い夏はエアコンの効いた涼しい教室で授業を受け、教科書や設備もお金を払わずに使うことができているのは、「税」のおかげだと今まで気がつかなかったのに疑問が浮かぶ程だった。

先日、私は眼科へ行った時、ふと思ったことがあった。私が処方された目薬を受け取っている間、後ろに並ぶ人が財布を準備して待っていることに気がついた。私ははっとした。私が今、こうしてお金を支払わずに薬を受け取ることができるのも税金のおかげだということに気がついたからだ。私の住むまちでは、中学生まで、医療費が無料だ。しかし、私たちが医療費を気にせず、気軽に病院へ行くことができるのは、国民が働いて働いて納められた税金のおかげなのだと実感した今、私の心は感謝の気持ちでいっぱいになった。

もし税金がなかったら……。私はそんなことを考えたこともないくらいに「税金」は身近で、生活に溶け込んだ存在だった。毎日当たり前の様に学校へ行き、風邪気味だ、体調が良くない、そう思えば気軽に病院へと行ける。その日常のすばらしさを改めて感じた。私の日常を築いてくれた人々に今度は私が恩返しをする番だと思った。

私たち中学生が大人になった時、少子高齢化により、高齢者一人を支えられる大人は年々一人に近づいていくと予想されている。その現状は想像以上に過酷かもしれない。でも私は将来、立派な納税者として、高齢者や子供たちの日常を支える存在でありたいと思う。私が今、税金によって支えられているように、未来の子供たちも豊かで安心な生活を送っていてほしい。

税金を払うということ。それは、日本の明日をつくるということなのだと思う。

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