宮本 崇行
中学生に入って、税金について考える機会が増えた。一年生の時は、税についての授業を受ける中で、僕達中学生の身の回りには、学校や病院など、税金の使われている場所がたくさんあるということを知り、二年生の時は、本を借りても勉強してもお金のかからない図書館に疑問を抱き、税金が活かされているという答えを知った。しかし、税金の役割は、これだけではない。今回は、今の僕にはあまりなじみがないが、これから先僕も関係するかもしれないし、今後重要視されていくであろう「あるもの」について、探っていこうと思う。
現代、日本では「人口減少」が長い間問題視されている。その中でも、「少子高齢化」という言葉は、最近よくニュースなどで耳にするようになった。また、三年生から始まった公民の授業でも、よく出てくる語句の一つである。その「少子高齢化」の中でも、「高齢化」に焦点を当てて、税金について考えてみる。
以前、社会科の先生から、「和歌山県は全国でいちばん介護施設の多い都道府県である」と聞いたことがある。僕の住む湯浅町にも、いくつかの介護施設や福祉施設がある。その中には、友人の祖父母や、近所の人も入所しているが、僕の親戚の中に、介護施設に入所している人はいない。そのため、じっくりと介護について考えることはあまりなかった。
しかし、介護施設は僕達中学生にとって無縁の関係のものではない。僕が将来介護施設に入所したり、あるいは両親が入所したりすることもあり得る。また、この先、ますます高齢化が進むとみられる日本では、介護施設が増えていくと思う。
そんな介護施設にも、税金は使われていた。「介護施設に入所するときにかかるお金の一部」に、税金が使われているのである。
仮に、入所にかかるお金の全額を個人で負担しなければならないとしよう。これでは、「お金も高いし、やっぱりやめよう」という人も少なからず出てくるはずだ。つまり、気軽に入所することができない、ということである。高齢化社会の今だからこそ、気軽に入所できる介護施設が必要なのである。そのため、入所にかかるお金の一部を、税金で補償してもらえるのである。
今年の十月に消費税が上がり、高くなる物価に不満を抱いている人もいるかもしれないが、自分が将来お年寄りになったとき、あるいは身近な人が介護施設に入所するとき、税金が助けてくれる一面がある。介護施設だけでなく、はじめに述べた日常のさまざまな場面で税金は活用されているということを念頭に置いて生活していきたいと思う。みなさんも、税金の「これから」について、もう一度じっくり考えてみてはいかがだろうか。