和歌山県租税教育推進連絡協議会

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近畿納税貯蓄組合総連合会会長賞
税金の光とその裏側
和歌山市立明和中学校 3年
森口 こうめ

数ヶ月前から、祖母が人工透析を受けることになった。祖母は、人工透析を受けるとともに、身体障がい者手帳を持つようになった。この身体障がい者手帳を持つために、私は母と一緒に市役所へ行き、手続きをした。私は、市役所の方の説明を聞いていて驚いた。何に驚いたかというと、「特別障がい者手当」の素晴らしさだ。

特別障がい者手当とは、日常生活で特別な介護が必要な重度の障がい者に支給される手当のことだ。受けられる手当としては、公共施設等の利用料金の減免や交通機関の割引、税金の控除・減免、障がい者枠での就職、携帯電話料金の割引等、様々なものがある。

 「こんなに沢山の手当を受けれるなんて」。特に驚いた手当は、税金の控除・減免だ。どのような税金が対象かというと、主に、所得税、相続税、贈与税、少額貯蓄の利子等の税だ。普段から耳にする所得税までもが、控除されるとは。私は、改めて日本の障がい者に対する支援の素晴らしさに気付かされた。

また、人工透析を受けるために祖母は週に三回病院へ通ってる。往路は、病院から出る料金無料の車で行く。復路は、市役所で配付された福祉タクシー利用券を使用して帰る。このタクシー利用料金も勿論、手当のお陰で無料になる。

改めて考えてみると、こんなに祖母が手当によって生活が楽になるのは、この世の中に税金が存在するからだ。「税金には、人を幸せにしたり、希望を与える力がある」と学ぶことが出来た。

この光の一方で、税金の闇も存在する。近頃、税金の増税に関することをよく耳にする。学校でも増税に関する意見を交わしている。私は、祖母の出来事もあったので、増税に勿論賛成だった。だが、否定する人も勿論多数いた。何故否定するのか意見を聞いていると、「納税した税金が無駄使いされて、国の借金になっている」という意見が出た。私は気になって詳しく調べてみた。すると、「現在日本には約一千兆円という膨大な金額の借金(国債)がある」と記載されていた。こんなにも納税した税金が借金になっているとは。増税を否定する気持ちは十分に分かった。

しかし、私達自身も税金に頼りすぎているところはないだろうか。様々な無料制度ができて、「無料だから」というちょっとした気持ちで、税金を利用していないだろうか。例えば、医療費の無料制度だ。比較的軽い症状で病院に行ったり、必要以上に薬を貰ったりしていないだろうか。こんなちょっとしたことを、私達自身で税金の節約をしていけば、国債も減少するのではないだろうか。

闇の部分を無くすために、私達自身で光の部分を上手に利用していく。それこそが、より良い日本を作っていく第一歩になるのではないだろうか。そして、いつの日か、国債が減少していく日が来ることを私は願う。

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