和歌山県租税教育推進連絡協議会

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近畿納税貯蓄組合総連合会会長賞
無償の教育
上富田町立上富田中学校 1年
中内 謙也

「大学にタダでいけるんだって。」

母が新聞を読みながらつぶやきました。よく読むと、全員が無償になるのではなく、勉強をしたくても家庭の事情で大学などに行けない人を支援する「大学等修学支援法」が成立した、という内容でした。財源には消費税増税分があてられるそうです。僕の家は支援対象ではありませんでした。

大学の事は、うちの家族にとって身近な話題です。姉が大学生だからです。姉は遠い所で下宿をしながら勉強をしていて、両親は一生懸命働き、仕送りをしています。地方から大学へ行くのには、たくさんのお金がかかります。姉は大学を受験する時、家族の負担を減らすために、浪人はしないと決め、国公立大学だけを目指し、猛勉強していました。お正月も学校に行って、朝から晩まで勉強しました。家族も送迎をしたり、栄養バランスのよい食事を作ったり、病気を持ち込まないように気を付けたりと協力しました。姉が今、ホームシックになっても、難しい勉強にくじけそうになっても頑張れているのは、家族の協力や家族の思いが支えになっていると僕は思います。

税金で大学の授業料や生活費を無償で支援してもらった時、同じような思いを持って勉強できるでしょうか。税金はみんなが働いて納めているお金です。それを大切に思い、一生懸命勉強するのなら良いと思います。本当に勉強をしたい人が平等に教育を受けられる制度になれば、税金もムダにはなりません。

僕も今、税金の恩恵を受けています。学校の授業は無償です。給食もほとんどが税金でまかなわれています。この夏からエアコンが各教室に設置されて、快適な環境で勉強できるようになりました。

「暑いから授業に集中できない、という言い訳はできないね。」と母は言います。その通りだと思います。そして教科書の裏表紙には、こんな一文が書かれています。

「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」

政府は今、年金などほとんどが高齢世代向けだった社会保障を将来世代や子育て世代にも広げようとしてくれています。将来世代の明るい未来のために財源が必要で、消費税を上げるそうです。僕たちはその期待に応えなければいけません。

僕が今できることは、将来社会で役立つ人間になれるように、まず勉強することです。恵まれた環境で勉強できるのは、両親や先生やたくさんの働く人が納めた税金のおかげです。「勉強したくない。」というのは通用しません。無償で受けることができる教育に感謝して、これからも真面目に、勉強に取り組むことが僕の使命だと思います。

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