北田 志帆
今、日本では心が痛くなるような大きい自然災害がたくさん起きている。その被災地が復興していくためには、国や県などからの税金が必要である。そこで私は親戚に、七年前に起きた紀伊半島豪雨の被害について知るために、紀南まで連れていってもらった。そして、那智勝浦町にある土砂災害啓発センターに立ち寄った。
私たちはセンターの方々に色々尋ねた。やはり雨が特に多かった地域では、土石流などが起こり、甚大な被害をもたらしたとおっしゃっていた。確かに、私たちが通ってきた道で、横の山が大きく削れた所がたくさんあった。さらには崖が崩れて大きな滝になっている所もあり、センターの向かいの山も大きく崩れていた。しかし、全ての山肌が見えている所では、砂防ダムが設置されていた。もしもう一度そこで土石流が起きた時に、木や岩をせき止める役割をしている。これが私たちの税金で作られていると思うと、改めて税金の大切さを知った。
家に帰ってきてから、紀伊半島豪雨と税金との関係についてさらに深く知るために色々と調べた。すると「激甚災害」というワードがあった。激甚災害に指定された災害の被災地が復興するのに必要なお金の約九十パーセントを国からのお金でまかなわれるというものだ。紀伊半島豪雨で特に被害が大きかった地域は激甚災害に指定された。国から出るお金には、普段私たちが払っている消費税も含まれていると思う。こういう人助けのために使われる税金を、まだ中学生である私が払っていると思うと、少し嬉しくなる。しかしこの税金も働き手が減り、高齢者が増加しているため、歳出額が歳入額を上回っているのが現状である。もちろん今でも大きな自然災害は起こっているが、その復興のためだけに全ての税金を使うわけにはいかない。他にも、社会保障や道路などの整備、教育施設の設置など、様々なことに必要とされている。歳入された税金をどう無駄なく歳出していくか。また、公債金の増加をどう止めていくのかを考えていかないといけないと思う。
自然災害と税金との関係について実際に見て学んできたが、改めて税金の使い道の広さを知った。ある時は人々の命を守り、ある時は道路や公共施設の復旧、また、被災された方々の生活のため……。災害時のためだけに税金を全て使ってしまうわけにはいかないし、これから他のことにもたくさん必要になってくる。この先の社会を支えていくためにも、税金の必要性をもっと深く知ることが大切だと思った。