調 美法
私の住んでいる地区は、生石山の中腹にあって戸数が二十八戸の小さな地区です。この数十年の間に高齢化が進み、若い人は町に出たりと、急激に過疎化が進んでいて、一人暮らしの高齢者宅は八件、高齢者のご夫婦お二人暮らしのお宅は七件と全体の半数を超えています。だからお互いに様子を気にかけたり、困っている事は助けあったりしています。けれど、山間の地区に住むと高齢の方には大変な事が多いと感じます。まずは移動の手段です。買い物や病院に行くのも車の運転が出来ないとタクシーを呼ぶことになります。商店や病院までの距離があるため、タクシー代の負担は大きいです。次に家の周りの整備です。田舎の家の周りは草や木に囲まれていて、年に何度も草かりや伐採が必要です。それから、歩くのも大変になって来ると近所との距離があるため、人と話す事も少なくなります。山間部の過疎の地区に高齢の方が暮らし続けるのは、本当に大変な事だと見ていて感じています。
その事を母と話しているとそれに対しては行政も対応してくれていると色々と教えてくれました。まず移動手段では町のコミュニティーバスがあり、私の地区では毎週水曜に利用することが出来るそうです。次に家の周りの草木の伐裁はシルバー人材センターに頼むと一般の業者に頼むより安く済むそうです。最後に人との関わりについては私の祖母は民生委員をしているのですが、今年の四月からサロンといって地区の高齢の方が健康体操をしたり、茶話会をしたりする集まりをしているそうです。皆と会って話す事でお互の様子も分かり、体操も家でもしたら健康の維持にもつながると言っています。これは社会福祉協議会が中心となって行われているそうです。こんなに小さい地区のこんなに身近なところでも私達を助けてくれているのだと思いました。けれどこれらの支援だけでは山間の地区に住む高齢の方の生活を支えられないと思います。
コミュニティーバスもバス停までの距離が遠いと利用しづらいし、シルバー人材センターの方に色々お願いするのも金銭的には負担になる人もいます。サロンも月一回では少ない様に思います。全てをもっと充実させる必要があると思います。ただそれにはお金が必要です。つまり税金が必要という事になります。しかし税金には限りがあるため、家族、地域の関わり方を見習す事が大切だと思います。家族で助けられる事は助ける、近隣に住む人で手伝える事は手伝う、その上で困っている事を行政に相談するという形が理想だと思います。少子化が急激に進んでいるという事は、納められる税金も減っていくという事です。税金を納める事の重要性と共に、税金をいかに無駄にしないかという事を皆が意識していく事が大切だと思います。