竹下 知歩
税金を払うという事を、嬉しいと喜ぶ人は誰だっていないと思います。しかし、納税は国民の三大義務の一つであり、もし税金がなくなれば、大変な事になります。
なぜなら、税金によって助けられる事が、世の中にたくさんあるからです。
私の母方の祖父は、私が産まれる二年半前に亡くなりました。祖父は、急性腎不全という病気になり、三年間人工透析をしていたそうです。病状が悪化した時、祖父の腎臓は、透析をしても、もって五年と言われたそうです。でも、人工透析をしなかったら、すぐに亡くなってしまう、とも言われたそうです。そして祖父は、人工透析をして、主治医の先生が言われたとおりに、五年間透析をして亡くなりました。
私は祖母から、昔は透析をするのにものすごくお金がかかって、お金持ちしかする事が出来なかった。だから、透析を必要とする病気になった人は、お金がなくて亡くなってしまった人もたくさんいた、と聞きました。
しかし、祖父が透析をしていた頃には、医療費助成制度が出来ていて、ちゃんと手続きをしたら、自己負担金もほとんどなく、費用の面では安心して週三回も出来たそうです。もしこの制度がなかったとしたら、一回約三十万から五十万円程度もかかるので、とても週三回なんて出来る訳がありません。
祖父は、税金のお陰で、五年も寿命を延ばす事が出来たのです。
また、祖父が透析をしていた頃に、介護タクシーを初めて利用出来た事で、運転の出来なかった祖母は、祖父の透析の通院の時に、とても助かったと言って喜んでいました。
今、祖母も、デイサービスを利用しています。祖父が生きている時にはなかった、充実した介護サービスを受けている様です。
税金の使い道は、国会や地方議会で、国民市民の代表として、議員の方々が話し合って決めてくれています。だからこそ選挙で議員の方を選ぶ事の大切さを理解し、私が選挙権を得た時に、しっかりと考えて投票したい、という事を、今から十八歳の自分に言い聞かせたいと思っています。
税金は、払うのではなく納めるもの、そしてまわりまわって、自分達に戻ってくるものだと思います。
今、日本は高齢化が進み、どんどん高齢化社会になっています。その分、税金を納める負担も増え、消費税があがる事を、嫌だなぁと感じる人も多いと思うけれど、税金によって助かる命、高齢者が幸せに暮らせる生活があるという事を、私は祖父の病気と祖母の話から学びました。
そして今、税について学び、作文を書いている事も、税金のお陰ではないか、と思っています。
私は将来納税する立場になった時、この気持ちを忘れず持ち続けたいと思っています。