妹尾 杏樹
今、私の家族は皆元気です。でも、誰かが大きなけがや病気をしたとします。もし「税金」がなければ、多額の医療費がかかり、当たり前の生活もできなくなるかもしれません。
日本で消費税を導入したのは、一九八九年四月の税率三%です。そして、現在は八%で二〇十九年には、十%になる予定です。十%と聞くとすごく高いように感じますが、ヨーロッパでは二〇%以上もの消費税を払っている国がたくさんあります。
例えばデンマークでは、消費税が二十五%という日本の約三倍もの消費税を払っています。しかも、所得税は四十%から六十%で、年収の約三分の一を支払うことになります。でも、テレビの番組を観ているとデンマークは「世界で最も幸せな国」だと紹介されていました。なぜ、こんなに高い税金を払っていて幸せなのか、私は不思議に思いました。それは、国民の一人一人が税金等を所得の七割程負担することで、多くの公共サービスを受けられるからだそうです。どんなに大きなけがをしても医療費が無料、大学生までの教育費も無料、出産費も無料と国民の生活に対する保障がとても充実しています。そして、一日に働く時間も約七時間と短く、たくさん働いて、たくさん稼ぐというよりも、家族との時間を大切にしています。また、子育てにも、税が使われているので負担が少なく、出生率が上昇しているそうです。
今の日本では、普段の生活に車が欠かせない車社会になっています。でも、デンマークでは、自動車税が日本の約百五十%で、国民のほとんどが自転車で通勤や通学をしているそうです。自転車だと、CO2の削減、運動不足やストレスの解消にもなり、自分たちや国にとっても良いことばかりです。そして、自転車ハイウェイを造ることで、車と自転車の事故がなくなり、安全で住みやすい環境が整えられているそうです。
「こんなに高い税金を払うことは、嫌ではないのですか。」という質問に、「これだけの生活の保障を受けられることで、安心していられるから、喜んで税を払っています。」とデンマークの人は答えていました。それは、国民の皆が税について理解し合い、バランスのとれた社会の状態を保っているからこそ言える言葉だと思います。
これまで、私は税についてあまり考える機会がありませんでしたが、この作文を書くことで、税の大切さについて考えることができました。日本も消費税が上がって今の生活が変わったとしても、デンマークのように皆が納得できるような税の使い方をしていけば良いと思います。そうすれば、日本も今より幸せな国になるのではないかと考えました。