谷 広翔
「ねえ、何で書いてる値段と払う値段って違うの。」こんなことを思い始めたのは何歳だっただろうか。「税って何なの。」とか「なぜ税ってあるの。」ということをよく家族に聞いていた。その時の僕は小学生だったから、税や政治については何も分からなかった。しかし、僕の心の中にある「税」という目に見えない物の存在がはっきりと現れてくるようになり、税に関心を持つようになった。
そんな僕も中学生になった今、制限されてきたことも少なくなり、少しだけ自由になれるように。自分で物を買うことが多くなり、一人で電車に乗って和歌山から大阪に行くこともできるようになった。電車からの景色を見ると、ごみ一つない綺麗な街が目に見える。しかも約一時間も掛かる間それがずっと続く。ニュースでも外国人が、「日本は安全で綺麗だよね。」と言っていた。それを聞いたとき、自分まで嬉しくなった。そのことを思い出し、「和歌山も大阪も日本のどの街でも綺麗なんだなあ」と思い、それからは今まで以上に日本人としての誇りが持てるようになった。このような日本という国の安全で綺麗という代名詞は「税」によって守られているのではないかと思うようになり、税のありがたみが感じられた。
税金は主に社会保障関係費や公共的なものに使われている。しかし、日本では様々な問題が起こっていて、それらの問題を解決するためにも税金を使う。そして、それぞれどれだけ税金を使うかを議員さんが決める。つまり、税金の使い道は議員さんに掛かっていると言えるのだ。
まず議員さんは選挙によって選ばれる。その選ぶ行為が私たちの住む日本を変える第一歩になると思った。近年は若い人の投票率が少ない。そうなると、年齢的に高い人向けの考え方をする議員さんが選ばれやすくなり、若い人が抱えている問題が解決されにくくなってしまうのではないかと考えた。「待機児童問題を解決してほしいのなら選挙に行きなさい。」とジャーナリストの人が言っているのを見た。僕もそれには納得し、困っているなら、それを解決してくれる議員さんを選ぶ。言い換えれば、自分が求めている税金の使われ方を選挙によって選ぶことになるだろう。
私たちが安全で幸せな生活を送るためには、あまり考えないで投票するのではなく、税と選挙についてよく理解し、政治に関心を持って投票することが必要だと思う。税と選挙が深い関わりを持っているのは知らなかったし、税の必要性について改めて考えさせられた。
税金は日本を豊かにし、私たちが安心して暮らせるように使われている。その使い道を知り、批評し、選挙に行くことで、国民の一人一人が笑顔で過ごせるような「国」になるだろう。僕も日本がもっと安全で綺麗だと言われるように、社会や政治に貢献できるような人間になりたい。