祭本 真由
西日本大豪雨。多くの被害、被災者を出した災害。そのニュースを連日見ていた私の感想は、被災者に対する哀れみや同情だった。しかし、テレビや新聞を見るたびに、あることに気付いた。それは、自衛隊の方々が汗を流して、懸命に行方不明者の捜索や復旧作業に取り組んでおられる姿だった。あまり、私たちの生活とは関わりのない自衛隊だが、その働く姿を目にすると、自衛隊に少し興味が湧いてきた。
今までの、私の自衛隊に対する考えは、何のために毎日訓練やトレーニングを仕事として行っているのかというものだった。しかも、税金を使って、つまり、あまり好印象ではなかったということだ。
私たちには、自衛隊のように災害が起これば、いつでも出動できる準備ができているわけではない。もし、ボランティアで参加したとしても、慣れないことであまり力になれないかもしれない。さらに、私は中学生で勉強というすべきことがあり、大人の方も仕事がそれぞれにあるはずだ。そう簡単には、自分の思いだけでは助けられないのが現実。そんな中仕事ではあるが、自ら危険な場所に赴き、率先して作業する。自衛隊の方がいなければ、災害大国日本の復興がこれほど早く行われていないと言っても過言ではない。しかし、ついこの間まで私もそうだったように、日本という国は残念なことに、自衛隊は税金泥棒、などという人がいるのも事実。確かに彼らは税金で動いている。しかし、私たちにはできないことをしておられることを忘れてはならない。
そもそも、税金は皆の豊かな暮らしを願ってこそのもので、その一環として、自衛隊の方々の活動がある。それに、自衛隊の方を税金泥棒と呼ばわるのなら、自分を見直したほうがよいだろう。私でさえ、小学校・中学校で、多くの納税者のおかげで多額の学費を一円も払うことなく、勉強できている。この十五年間でどれだけ多くの税金を使わせていただいていることか。税金がなければ生きていけない人たちがほとんどなのに、そのような言い方はないのではないかと思う。もちろん、私は働いていないので消費税くらいしかい支払えていない。だから、仕事をしてやっと手に入るお金から、税金としていくらか払わなければならないことは大変なのかどうかもわからない。しかし、私は将来、労働者という立場になっても、たくさんの税金を納める立場になっても、今の気持ち、税金のありがたさは忘れない人間になりたい。
日本が重税国家と言われる理由は、国民がお互いの幸せを願っているからなのだと思う。これこそ、日本が世界に誇るべき助け合い精神、「思いやり」なのだろう。