和歌山県租税教育推進連絡協議会

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国税庁長官賞
支え合い
智辯学園和歌山中学校 3年
築野 有登

私は今年の夏休みに、フィリピンのセブ島に二週間滞在していました。目的は、英語の語学留学です。二年前も同じ時期に、同じくセブ島で二週間留学していたのですが、二年前と変わらず、ストリートチルドレンをたくさん見ました。家が貧しかったり、親がいなかったりで、学校に行けない子供がたくさんいます。日本では見ない光景です。日本はそういう面も含めて、フィリピンより豊かな国なのだなと改めて実感しました。私達は日本国憲法で納税を義務として定められています。また、それと共に、勤労の義務と教育の義務も定められています。この三つはどれが欠けても上手く機能しないのだと感じました。私達は教育を受けさせてもらい、仕事に就き、税金を納め、国民全員で日本を支え合っているのだと思います。フィリピンではそれが上手く循環されていない状態だと感じました。私がお世話になった語学学校の先生は、「日本はお金や最先端の技術を支援してくれるのに、そのお礼はいつもバナナとマンゴーとエビ。何年経ってもそればかりで、発展せずに恥ずかしい。」と、仰っていました。また、「フィリピンには十分な仕事がないので、たくさんの人達が外国に出稼ぎに行っている。」ということも仰っていました。私はフィリピンのそのような状況を知ると、改めて、納税・教育・勤労の三つが義務付けられていることの重要性と、その三つのバランスが大切であるのだと感じました。日本も終戦直後は貧しくて、世界の国々から支援をしてもらっていたそうです。そのおかげで今では経済的に豊かな国に成長しました。ODAは、私達が納めた税金で、発展途上国の開発を支援しています。私達日本人は、昔に助けて頂いたことに対する感謝の気持ちを忘れずに、また国際社会の一員として、他国が平和で安定した生活を送ることができるように、協力していく必要があるのだと思います。

しかし一方で、日本には問題が無いかと言えばそうではありません。少子高齢化が進んでいるので、税金を払うことのできる働き手の数が減ってきています。また近年では予期せぬ自然災害が毎年のように起こっているので、将来のことを考えると、税金の使い道も慎重に考えていかなければならないと思います。私達は納税者の一人として、税金がどのように集められ、どのように使われているのか、良く理解しておく責任があります。そして平和で豊かな生活をいつまでも続ける為には、国民全員がこの国を支え合っていかなければいけないのだと思います。

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