和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
ふるさと納税について
海南市立市下津第一中学校 3年
 中西 裕紀

先日、祖母が立派な牛肉を持ってきた。聞くと、ふるさと納税の返礼品としてもらったそうだ。祖母は、佐賀県嬉野市にふるさと納税で寄附をし、佐賀牛をもらった。その肉がとても美味しかったので、今回二回目のふるさと納税をして、またもらったという。ふるさと納税、最近よく聞く言葉だ。調べてみると、日本全国全ての市町村に寄附できる制度で、寄附したポイントにより商品がもらえる。そして寄附した金額により所得税と住民税が減額されるという。

僕は返礼品がもらえ、税金も減るとても良い制度だと思い、母に、
「うちもふるさと納税をし、何かもらおう。」
と話してみた。しかし、母に断られた。寄附をする余裕なんてない。それに、私たちは海南市に住んでいるのだから、お世話になっている海南市の為に税金を払って、海南市がより良い町になるのであれば、それで良いと言われた。僕の家族や祖父母達も皆海南市在住だ。僕の住む海南市に多くの税金が入り、より良い町になった方が確かに良い事があるように思う。海南市にふるさと納税をする人が増えると、海南市はより豊かになる。

このような話をしていると、父が異なる意見を言った。過疎化によって、人口が減少している市町村は税収が少ないので、ふるさと納税によって、お金が集まるのは良い事だという意見である。それもそうだと思った。都市には人が集まり、税収も多く、様々な公共施設が建設など、高度な公共サービスを受けることができる。一方、地方は、税収が少なく、公共施設の維持、管理が困難になり、取り壊しや公共サービスの有料化が進んでいる。地方に住むと不便な事が多くなり、若い人は都市に出る。これによって過疎化が進む。しかし、都市で就職、生活をしているとしても故郷の町にふるさと納税をすることができれば、故郷の町の為になる。

僕は両方の意見を聞いて、ふるさと納税をしたいと思った。自分が払わなければならない税金は、きっちりと納める。そうすることで、自分の住んでいる町がより良い町になる。さらに、お金に余裕があれば、僕はふるさと納税を利用したい。自分が生まれ、育った故郷に納税する、県内でもより過疎化が進んでいる町に納税する、地震などの災害で被災した町に納税するなど、様々なふるさと納税の利用方法があると思う。

学校の租税教室で税金には様々な種類があることを学んだ。消費税、所得税、自動車税などに加え、ふるさと納税制度。こうして集まる税金は、日本に住む皆の為のお金だ。納められた税金は、自分達の生活をより良くするために使われるので、皆がきちんと納めることが大事だと思う。

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