和歌山県租税教育推進連絡協議会

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公益財団法人納税協会連合会会長賞
「当たり前」の幸せ
近畿大学付属和歌山中学校 1年 釣谷 奈央

「ねぇ、税金って、そもそもいったい何?」税金について、正直ほとんど知識がない私は、先日家や土地に掛かる税金について話をしていた両親に質問をしてみました。

それまで学校の授業やニュースなどで、消費税であったり、お酒の税金であったり、いくつかの種類の税金があるということは、何となく知っていましたが、普段の生活からは余りにもかけ離れていて、いまひとつピンと来ていませんでした。またぼんやりとですが、「税金=払わなきゃいけない=損」というイメージですらありました。

私の質問に対する父の答えは、「日本の国民が豊かで安全な生活を出来るようにする為には、政治、教育、道路などのインフラ、弱い立場の人たちを助ける福祉、自分の国を守る国防など、色んなところにお金が必要だろ。ただ、裕福な家庭と、生活に困っている家庭が同じ金額を出すのは平等じゃないから、そのバランスを取りながら税金を集めて、国民全員が最低限の生活が出来るような仕組みになってるんだ。『情けは人の為ならず』、だよ。」というものでした。

そこで、税金の無い世界を家族全員で話し合ってみました。

①もし警察がなければ-捕まえる人がいなければ、犯罪者が好き放題犯罪を犯すことが出来る恐ろしい社会になってしまう。
②もし教育がなければ-勉強出来なくなる。字を読んだり、言葉を覚えたりする機会も減って、人と人とのコミュニケーションもなくなってしまう。
③もしインフラがなければ-道路や電車やバスがなくなり、不便な生活になってしまう。

考えれば考えるほど恐ろしい社会になってしまいます。しかも、ここに挙げた一つでも無くなってしまう訳にはいけないことに気が付きました。これら全てが税金に支えられていると知り、「税=損」というのは恥しい考えだと分かりました。

父の言う「情けは人のためにならず」、税金の本当の意味は「支え合う」という意味なのではないでしょうか。「支え合う」ために、裕福な人たちが沢山税金を払い、みんなを支える、今は裕福でない人たちも、まわりから支えてもらって生活をしたとしても、今度は支える側になれるように頑張る。回り回って、お互いがお互いを支えることが出来れば素晴らしいと思います。

私は今中学一年生です。当たり前のように学校に通い、当たり前のようにバスに乗り、当たり前のように信号を守ります。でも、この「当たり前」が幸せなことだと少し気付くことができました。これからもこの幸せをしっかり感じていきたいと思います。

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