和歌山県租税教育推進連絡協議会

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大阪国税局長賞
税金と道
田辺市立上秋津中学校 2年 寶槌 ちひろ

平成二十七年七月十二日、私の住んでいる田辺市から白浜町まで、近畿自動車道紀勢線が開通されました。この道路は、大阪府松原市を起点とし、和歌山県田辺市などを経由し、三重県多気郡多気町に至る延長約三百四十キロメートルの高速自動車国道です。八月三十日には、白浜からすさみ町までの区間も開通されることになっています。

私は、国道や高速道を作る財源が税金であるということを最近まで知りませんでした。税金と聞いて、私にも関わっているのは消費税ぐらいだとしか思っていなかったからです。でも税金について調べていくと、ガソリン税、所得税、酒税など自分の家庭にも関係する税のあることに気が付きました。

父の運転する車で紀勢道を通ってみました。田辺ICから南紀白浜ICの区間ですが、いつも通っていた県道や国道よりも、高い所を走っていました。山を削って作った所や、高架の所が多かったです。それと、くねくねとしたカーブも無く、真っすぐに伸びている道という感かくです。父に聞いてみると、白浜町の富田辺りは四年前の紀伊半島大水害の時に富田川の水が道路にも越えて来て、道路が冠水状態になったそうです。その辺りを高速道は見下ろすような高架で走っていました。

高速道路と聞き、まず思い浮かぶのは大阪や京都など遠くの市への移動時間の短縮です。紀勢道はそれに加えて、災害時に国道が被害を受けた時の代替ルートとしての機能や、病気やけがの緊急患者の搬送時間の短縮と身体的負担の少ない安定した搬送が可能となるそうです。このように、自分たちの生活が快適になる高速道路の整備に、どんな税金が関わっているのかを調べてみました。

現在では道路整備や維持のために使うものも一般財源から出されているそうですが、二〇〇九年度までは、道路特定財源として自動車取得税や自動車重量税、ガソリン税が充てられていたそうです。自動車重量税について毎年両親が、所有している車の税金を払っているので何となくは知っていました。でも、ガソリンに税金が含まれていることなどは、今回調べてみて初めて知ったことでした。

私たちの住んでいる紀伊半島は、海岸沿いを走る国道が今まで交通の中心でした。でもいつか起きるといわれている南海トラフ大地震や、土砂災害の被害を避けるためにも、高速道路の存在は大変重要だと思います。

日本各地には、まだまだ道路の整備が進んでいない地域もあると思います。住んでいる人々が安心、快適に生活できるためにも、道路というのは必要なものです。色々な税金が集められ、色々なことに使われている世の中で、道路に関わる税金の存在について少しでも知ることのできたのは、紀勢道開通がきっかけでした。

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