和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
「私にできること」
和歌山県立田辺高等学校一年 丸山 茜

テレビで、どこか遠くの発展途上国の映像を見ることがある。食料難で飢えに苦しむ私よりももっと小さな子供達、上下水道の整備ができず、病院の建設も追いつかないために感染症で倒れる人々、銃弾の飛び交う中で生活している人々。そんな映像を見るたび、何もできない自分がもどかしく、「何か私にもできることがあればいいのに」と思っていた。でも、高校生になったばかりの私には、何ができるのだろう。有名な人達のように、学校や病院や橋を建設することはできない。その国を訪れることさえもできない。そんな私に一体何ができるのだろう。そう思っていた。けれども私にもできることがあったのだ。

私はこの税の作文を書くとき、税の使われ方について、少し調べてみた。すると、国の一般会計歳出額の内訳の中に、少しだけれど「経済協力費」というものを見つけたのだ。中学校の時に習った「政府開発援助(ODAというものである。私は今まで、税金は日本のためだけに使われていると思っていた。日本の道路や上下水道も税金で整備され、何かあった時に出動してくれる救急車や消防車も、今、私が高校で授業を無償で受けられるのも、全て税金のおかげだという事は知っていた。税金は日本のために使われ、私達の暮らしを支えている。だけど、他の国も支えていることは知らなかった。全体から見ると経済協力費は0・六パーセントで少ないかもしれないけれど、それでも私はこの事を知ったとき、嬉しかった。税金から経済協力費が支払れているということは、私も役に立つことができているということになるからだ。私は高校生なので、払っているのは消費税ぐらいだ。それは、国の歳入からしたらとても小さいものだと思う。それでも、私が納めた消費税が、あの小さな子供達などのために使われている。そのことが私はとても嬉しく、少し感動した。私の小さな小さな買い物でも、日本だけでなく、他の発展途上国の手助けになる。それはとてもすばらしいことだと思う。何もできないと思っていた私にとって、この「経済協力費」は、とても大きなものだ。

税金を納めること。それは、私達の国、「日本」を支えること。それは、名前を知らない発展途上国を支えること。そして、その税金を納めるのは私達。私達が、今の日本の暮らしを支え、これからの発展途上国の成長を手助けするのだ。

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