税金について初めて真剣に考えたのは、中学一年生のときでした。税についての授業があり、またこの税の作文を書き初めたことも一つのきっかけでした。それまで僕は税金について、何も知りませんでした。しかし、少しずつ勉強していく中で、将来大人になったときに、きちんと払っていかなければいけないと思いました。
僕は、最初は税金について、すごくマイナスのイメージがありました。お菓子一つを買うにしても、五パーセントの消費税を払わなければいけません。高額のものを買うとより負担も大きくなります。また、毎年父が払っている車や家の税金など、支払わなければならない税金がたくさんあります。それがなければ、その分お金が手元に残るのにとさえ思っていました。しかし、そうではないということが分かった大きな出来事がありました。
僕達の町は、昨年の台風十二号により、大きな被害を受けました。電柱がなぎ倒され道路が流され、浸水被害もたくさんありました。水の力はこんなにもすごいのかと驚きました。同時に、人々の心は沈み、電気も水もない生活がしばらく続きました。こんな思いは二度としたくないと思いました。しかし、一年経った今、元通りのきれいな町に戻りつつあります。流された橋や道路は急速に復旧作業を続けてくれています。また、直後にはたくさんの自衛隊の人がかけつけてくれ、がれきの処理など力を貸してくれました。これらはすべて、税金のおかげなのです。もし、税金を納めていなかったのなら、僕達の町の復旧作業もできなかっただろうと思います。
ちょうど今から六十年前にも、この辺は大水害があったと聞かされました。牛や人やたくさんの家が流されたと祖父から聞かされました。これから六十年後、また同じようなことが起こるかもわかりません。また、この夏、異常気象により、あちこちでゲリラ雷雨が起こり、人が亡くなったり、住宅が被害にあったりする様子がテレビで報道されていました。僕は一年前のことを思い出してしまいました。今後、日本に巨大地震が起こると予測もされています。信じられない光景が一瞬のうちにやってくるのです。いつ、どこに何が起こるかわかりません。このような災害が起こったときのためにも、税金はきちんと納め、お互いが思いやりを持って助け合える日本であったらいいと僕は思います。

