和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
大阪万博から考える税
和歌山県立海南高等学校 2年
壷井 環希

私の生活において消費税は、身近でありながらあまり意識をしていない税金という制度。 税に対しては後ろ向きなイメージを持つ人が多いだろう。 しかし、税は社会の仕組みを支える大切な仕組みだ。 道路や学校、病院などの私たちが当たり前に使っている公的なサービスの多くには税金が用いられている。

そして現在、日本では「2025年大阪・関西万博」というイベントが開催されている。 これにも税金が用いられている。 大阪万博において、パビリオンの建設、交通インフラの整備、観光客への対応などにより、最大2,350億円にものぼる莫大な費用がかかった。 これらの費用の一部は私たちが納めた税金からまかなわれている。 私は最初、万博に対してあまり興味がなく、「本当に多くの人が訪れるのか」や「万博の開催期間が終わると撤去されるものが多いのに、その期間だけのもののために多くの税金を使うのは無駄じゃないか」と思っていた。

しかし、調べていくにつれて、大阪万博がもたらす未来への投資的な側面に気付いた。 まず、万博によって多くの観光客を集客することで、地域経済を活性化させる効果がある。 ホテルや飲食店、小売業などに利益をもたらし、そこで働く人々の収入にもつながる。 また、交通網や都市のインフラが整備されることで、万博後も住みやすい街が築かれる。 さらに、国際的な注目を集めることで、日本の技術力や文化を世界に発信できる。 これらの効果を考えると、税金は単なる「支出」という後ろ向きなものでなく、未来への「投資」として機能しているといえる。 もちろん税金の使い方には、無駄遣いがあってはならないし、そのようなことがあっても気付けるように、私たち国民のひとりひとりが税の仕組みや使い道に関心を持ち、正しく監視していくことも大切だ。

高校生で、まだ所得を得ていない私も将来的な納税者として自覚を持ち、税について学ぶことは大切だと思った。 大阪万博は一時的なイベントではなく、未来の日本への投資や、技術進歩へのきっかけという大きな意味を持つ。 これらの考えによって、税金へはあまり否定的になりすぎず、前向きに考えていこうと思った。 今の私たちにできることは、税の仕組みや意義を理解し、その使い方に興味を持ち、主体的に考えていくことだ。 そして税に対して理解ある納税者になりたい。

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