岩井 釉月
私達は日々、様々な形で社会から支えられて暮らしている。
当たり前のように学校で学び、病院で治療を受け、安全な道路を歩く。
これらはすべて、「税金」によって支えられている公共サービスである。
税金は単なるお金ではない。
それは、人と人とが支え合うための仕組みであり、未来の社会を形作るための投資でもあると私は思う。
例えば、所得が高い人ほど多くの税を納める「累進課税制度」や、子育て世帯への支援などは、税を通じて社会の格差を緩和しようと設けられている。
すべてが完璧に機能しているわけではなく、ニュースなどで税金の無駄遣いや増え続ける国債などが問題になることもある。
しかしだからこそ、私達一人一人が税の使われ方に関心を持ち、声を上げることが必要だと感じる。
また、少子高齢化が進む日本では、社会保障費が増大し、働く世代の税負担は年々重くなっている。
2025年4月から、高年齢者雇用安定法が改正され、65歳までの雇用確保が義務化された。
しかし、現在の少子高齢化による労働人口の減少により、十分な年金がもらえないのではないかという不安を抱える人が一定数いる。
ここで一例としてスウェーデンの税負担の仕組みを挙げる。
スウェーデンでは、租税負担率が55%と非常に高い国であるが、小学校から大学までの授業料無料、医療費の無料など行政サービスが充実している。
こういった手厚いサービスが「支払った税金が還元されている」と感じやすくさせている。
その為、スウェーデンでは仕事に対する考え方は余暇や定年に重きを置いている人が多い。
日本は比較的少ない税負担で公共サービスを受けられているが、そこに余暇や定年を考える隙は無い。
だからこそ、税について「今はまだ関係ない」と無関心ではいられない。
どのように税を集め、どう配分するか、それは社会のあり方そのものを映す鏡であり、私達がどう生きるかを問うものであると私は思う。
税金は、「取られるもの」ではなく、「託すもの」である。
未来をつくるために、互いに託し、支え合う。
その原点にあるのは、人間同士の信頼と共感だと思う。
税を通じて、よりよい社会をどう築くのか。
そんな視点をこれからも持ち続けたい。





