佐伯 百菜
透きとおる綺麗な海。
その中で優雅に泳ぐ魚が私は大好きだ。
時々祖父の船に乗せてもらい、太刀魚やタコを狙いに行ったりする。
その時によく目にするのがプラスチックごみだ。
年間約800万トンのプラスチックごみが海に流出しているらしい。
加えて、このままだとプラスチックごみの量が魚の量を上回ってしまうそうだ。
私はそんな状況を改善したいと思い、目をつけたのが、イギリスで導入されている「プラスチック税」だ。
プラスチック包装税制度は2022年4月1日にイギリスで施行された。
この制度は、プラスチックを別のもので代用しようというものではなく、リサイクルされたプラスチックの使用を推奨することを目的としている。
内容としては、プラスチック包装材の製造業者と輸入業者を対象とし、再生プラスチックの使用料が30%未満のプラスチック製品に対し、包装材1トンあたり200ポンド(日本円で約4万円)が課せられる。
私は約4万円は高いと感じてしまったが、イギリスではこの新たな制度の導入によって、包装材における再生プラスチックの使用は約40%増加すると推定されており、地球環境を守ることに確実に貢献していると思われる。
一方、日本ではまだプラスチック税は導入されていない。
しかし、近頃、コンビニやスーパーでレジ袋が有料化されたり、飲食店では、プラスチックストローから紙ストローに切り替わるなど、「廃棄型社会」を見直す動きがある。
このような取り組みが、日々の生活の中で環境への意識を高めるきっかけとなると思う。
しかし、実際は環境問題を本気で解消しようという人達はあまりみられない。
そのため、新たな取り組みとして、「プラスチック税」が必要だ。
日本でプラスチック税を導入すれば、企業に、包装材に再生プラスチックを使用するインセンティブが生まれる。
それによって、企業の意識が変わり、使い捨てプラスチックの削減が進むはずだ。
また、プラスチックに税金がかかるという事実に人々は心を動かされ、エコバックを積極的に利用したりして、環境問題に今まで以上に向き合っていくだろう。
「税」と聞くと私達が国や政府に払うお金というイメージがあり、とても負担に感じていた。
しかし、今回、イギリスのプラスチック税制度を調べてみて、税は人々の意識を変え、行動を促すものだと気づかされた。
イギリスのような税制度をもっと多くの人に知ってもらいたいと思う。
私は、透きとおった海で泳ぐ魚達をこの先もずっと見ていたい。
海が人間のごみで壊されてしまう前に、私達一人ひとりが、向き合い、考えることが大切だ。
地球で生きる一人として、私はこれからもこの問題に立ち向かい、未来の海を守っていきたい。





