和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
税の意識とこれからについて
近畿大学附属新宮高等学校 1年
山神 慶子

「税に対してどのような価値観を持っていますか」と聞かれたとき、人々はどのような答弁をするでしょうか。ある人は「私たちが生活する上で大切なものだ」と答え、ある人は「税金は高くて生活の負担だ」と答える人もいるでしょう。では実際、税は一般的に見るとどう思われているのか、今後の課題や私の意見を交えつつ述べていきたいと思います。

結論から述べると、税は重要で必ず必要であると私は考えています。なぜなら、社会保障や公共事業、さらに私たちが今享受している教育振興費などが生活に欠かせないことは周知の事実であり、端的に言うと無くては困るためです。道路が破損しているのに、誰もお金を出さず修理をしなければたくさんの人が困りますよね。皆が生きやすい世にするために、皆が税を納める。シンプルな理由です。

しかし、「税に対する世論調査」では、「現在納めている税金についてどのように感じているか」という問いに、7割強の人たちが「負担を感じている」と答えています。私たちの生活を豊かにするために税があるのに、逆に生活は窮屈になっていることが現状と言えるでしょう。所得税や消費税、法人税の引き下げ、物価の上昇を抑えるなどの対策を講じましたが、現時点では難しいと考えています。そのため私は、「税の印象を良化すること」を大々的に進めるべきだと思案します。SNSが普及し、誰もが簡単に情報を発信・受信できるようになった今、私見ですが人々への情報操作は大きな問題だと感じています。例えば、国会議員が私たちの税金を使って海外へ家族旅行に行った、政府は税金を無駄遣いしているといった情報が定期的にネット上に広まり、その度に税の印象は悪くなっています。納めた税金は有意義な使い方をしてほしいのは勿論ですが、好感を持たれやすい情報を多く発信することで、納税に納得する人が少なからず増えるだろうと考えます。

そして最後に、私が懸念しているこれからの課題についてです。それは、私たちの後世への負担です。税に関与している問題のひとつとして、少子高齢化が挙げられます。現代の日本ではただでさえ高齢者が増加していることに加え、出生率が7年連続減少傾向にあり、一刻も早く現状を打開する必要があります。「子どもを産みたくない理由」の中には、やはりお金の問題が居座っています。しかし、近年は子育て支援が向上され、苦しむ子育て世代は少しずつよい方向に向かっています。安心して子どもを育てていける環境を可能な限り早く確立されることを願います。

日常生活において、税について吟味することは無かったので、非常によい経験になりました。税は毎日人々が納めていると同時に、毎日人々を支えています。私が一番恐れていることは、お金を重視して本当にやりたい夢を追えなくなることであるため、将来的には税を利用しやすくし、みんなが過ごしやすい日本になったらいいな、と心から思います。

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