仲垣内 愛莉
以前まで、私は「税金」と聞くと、あまりピンとこなかった。正直、自分と馴染みのないものだと勝手に思っていたのだ。しかし、最近、私は税がどのようなものなのか、自分にどう影響しているのか、よく分かっていなかったことに気づいた。
夏休みが始まってすぐ、私は風邪をひいてしまった。熱が出たので、病院に行き、処方箋を貰うと、母がお金を支払う。私は違和感を感じた。「今まで支払っていなかったのに、なぜだろう。」母に聞くと、もう高校生だから、と言う。気になって調べてみると、「こども医療費助成制度」というものがあることを知った。これは、子どもが健康保険の対象となる治療を受けた際、費用の一部を公費で助成する制度である。和歌山市では8月から、対象が中学生以下から18歳以下に拡充された。私は7月に病院に行ったため、まだこの制度が適用されていなかったのだ。今まで気軽に通院していたのが、少し行きづらくなった。私は、まだ自分でお金を稼いでいるわけではない。今思うと、親の負担を減らすことができるこの制度は、とてもありがたいものである。
学校で税金が使われているものを調べてみると、パソコンや楽器、実験道具など、様々なものに使われていることが分かった。また、小・中学校では教科書が支給されている。たしかに、高校生になって教科書を貰うとき、お金を払った。私は、教科書の扱い方を意識したことはなかったが、大切に使わなければならないと感じていた。また、これまでも大切に扱えていたのか、無償で支給されている理由を理解していたのか、以前の自分を顧みた。今では、学んでほしいという思いが教科書無償に繋がっていること、税金が身近なところで使われていることが分かる。
税金は、身近なところで私を支えてくれている。私たち学生の中には、以前の私のように、税について分かっていない人も多いと思う。しかし、知らないままであったり、無関心でいたりしてはいけないのだ。税金によって人々の生活が支えられている。私は、自分でお金を稼ぎ、税の役割について理解して納税できる人になりたい。そして、今まで育ててくれた地域や家族に恩返しがしたい。また、それが日本の未来のためになると信じている。立派な大人になるために、今は勉学に励み、身の周りにある税のありがたみを日々感じて、生きていきたいと思う。